伊藤の妹は三橋にゾッコン。Part5【今日から俺は!!】

にひゃくにじゅうなな！！ ページ31

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お兄ちゃん、三橋さんと入れ違うように
慌てた様子の理子さんが教室に駆け込んできた。




赤坂「Aちゃん!いま伊藤ちゃんとすれ違ったんだけど……」

佐川「聞いてくださいよぉ理子さぁん!!
三橋さんがツッパリやめたってぇぇ!!」

赤坂「え?!Aちゃん、本当……?」

「……」

赤坂「Aちゃん?」

「ハッ!! す、すいません意識飛んでました」

佐川「Aさんすげぇショック受けちゃったみたいで、もう呆然としてるんすよぉ」






……ショック?


まぁある意味ではショックかもしれないけど。







……黒髪ストレート眼鏡の三橋さん。



思い出すだけで尊い。







「やばい……泣きそう……」

佐川「Aさん気をたしかに!!」

「三橋さん素敵すぎる……地味に違和感ある感じもたまらない……」

赤坂「……佐川くん、たぶん心配しなくてもAちゃんはすっごく元気だと思うな」

「理子さんどうしよう……私……、手の震えが止まらないです……」

赤坂「……困ったわね。色々」







いったいなんのご褒美だろう。

最近はなにも善意ある行いなんてしてないのに。



……もしかして、昨日蟻の行列を邪魔しないよう
跨いで歩いたこととか?







佐川「でもどうして急にツッパリやめちゃったんすかね」

赤坂「そうね。そこがなんとも……」







たしかに。そこが不思議なところではある。


今井さんに騙されたときの
落ち込みモードとはまた違う気もするし。





赤坂「Aちゃんは何か心当たりはないの?」

「特に無いですね……」

佐川「昨日なんかあったんすかね、夜とか」





そういえば夜に「どっかでかけてる」って
三橋さんのお母様が言ってたけど。



一日でツッパリをやめるほどの出来事って一体……。






赤坂「なんだか複雑ね。良い道を選んでるはずなのに、純粋に応援できないわ」

佐川「俺はツッパリの三橋さんが良いっすよ〜!
Aさんもそうっすよね!!」

「いえ、黒髪眼鏡の三橋さんも好きです」

赤坂「迷うことなく言ったわこの子」









その時、前の扉からお兄ちゃんが戻ってきた。



後ろに三橋さんはいない。









伊藤「……アイツがあの程度の奴とは思わなかった」

「お兄ちゃん……」

伊藤「……ごめん、しばらく一人にしてほしい」








お兄ちゃんはそう言って、
気まずそうに顔を背けてしまった。









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