にひゃくじゅうよん！！ ページ18
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病院に行き、看護婦さんに今井さんのことを
聞いてみると「面会謝絶ですよ」と言われ、
私たちは反対の建物の屋上に向かった。
そこからなら角度的に今井さんの部屋が見える。
「…………え」
今井さんの病室に寝ていたのは、
顔も腕も包帯で巻かれた人。
あれが、“今井さん”……?
きっと部屋を間違えたんだと隣の病室を
見てみたけど、そこにはおじいちゃんと
おばあちゃんが仲良く話してて。
今井さんの部屋には他に誰もいなくて。
「っ……今井さん………、…」
伊藤「A」
お兄ちゃんが私を呼んで、
見えないような抱き締めてくれた。
大きいその体にしがみつき、
必死に涙を堪える。
すごくすごく痛かったはず。
どうしてあんなに酷くなるまで
傷つけられるんだろう。
分からない。
ただ、ただ、怖かった。
伊藤「……理子ちゃん。
申し訳ないんだけど、Aと一緒に帰ってあげて?」
「お兄ちゃんは? 帰らないの?」
伊藤「ちょっと三橋と作戦立てるからさ。
あ、今日の夜ご飯は麻婆豆腐がいいなぁ」
お兄ちゃんはまるで私に余計な心配をさせまいと、
優しく微笑んで頭を撫でてくる。
ちらりと三橋さんを伺えば、
今井さんの病室を睨むようにじっと見つめているだけ。
「……喧嘩しないでね。
この前みたいに怪我しちゃ嫌だよ」
伊藤「ん。分かった。
大丈夫、夜には帰るから」
赤坂「三ちゃんもよ。相手はヤクザなんだから……」
三橋「わーってるよ」
私はもう一度お兄ちゃんの顔を見上げて、
「約束だよ」と念を押す。
赤坂「じゃぁ、帰ろっか」
「はい……、…」
声をかけられる雰囲気じゃない三橋さんの背中を
見つめてから、私たちは病院を後にした。
今もこうしてる間に今井さんを
あんな風にした人が紛れ込んでるのかと
思うと怖くて仕方ない。
赤坂「Aちゃん。もし一人で家にいるのが心細かったら…」
「……ありがとうございます。
でも、大丈夫です」
……ううん。
怖いとか甘えてちゃダメだ。
お兄ちゃんと三橋さんは大丈夫。
だって千葉最強だもん。
私は家でわざと鼻唄を歌いながら
麻婆豆腐を作り始めた。
ゆっくり料理したから
遅めの夜ご飯になるだろう。
.
.
.
───それでも、お兄ちゃんは、帰って来なかった。
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nasiremon - 伊藤兄がかっこよすぎる！ 涙腺妨害ですよ…同感できるところが多い…うぅぅぅ… (2020年5月13日 1時) (
レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 牡丹杏。さん» ぜひぜひ続きも見てください(*´∇｀*) (2018年12月27日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹杏。(プロフ) - えーここまでで涙ボロボロなのに、続編見たらどうなるの。私の涙腺w 楽しみにしてまーす (2018年12月27日 15時) (レス) id: 48235b53b0 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ライアーさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！これからもキュンキュンしてもらえるようらがんばります！！ (2018年12月26日 14時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
ライアー - 続編すっごく楽しみにしてます。頑張ってください！応援してます！！！ (2018年12月26日 13時) (レス) id: ca359b9f59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年12月16日 17時
