伊藤の妹は三橋にゾッコン。Part5【今日から俺は!!】

にひゃくじゅう！！ ページ14

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「故障……ですか?」

店員「ソダネー。でも新しいでしょこれ」

「一年経ってないと思いますけど……」




虫眼鏡で目を凝らしながら
一眼レフを解体していく店員さんは

やがて顔を上げると両手を上にしてお手上げポーズ。




店員「直らないかもね」

「そんなぁ……」





開久に乗り込んだ日から数日後。


私はいつものように一眼レフで
三橋さんを盗撮していたら、

急に電池が切れたみたいに真っ暗になって
しまったのである。


もちろん充電切れかと思って入れ変えてみたけど
まったく変化無し。




店員「購入して一年以内だから無料で同じやつと替えられるよ」

「そんなシステムあるんですね。お願いします」

店員「はいよー。ちょっと待ってねー」





それにしても、どうして急にこんな事になったんだろう。


実は壊れてしまったのがカメラだけではない。


ボイスレコーダーまでも使えなくなってしまったのである。




幸い、ボイスレコーダーの方はレコードに
移してから壊れたのでまだ良かったんだけど。





店員「なんか不吉だねぇ」

「うーん……」





そうなんだよなぁ……。




電気屋から出てぼんやり落ち込みながらトボトボ歩く。





最近ツイてないことばかりだ。





たとえば傘がない時に雨が降るし、
買いたかったものが目の前で売り切れるし、
不良にはよく声をかけられるし。


……まぁ最後のは前から変わらないけど。



でもほんとによく絡まれてしまう。

三橋さんや伊藤さんには「気を付けろ」と
うるさく言われてたけどこれはさすがに
警戒していくべきかも。




なんて考えていたら。







今井「Aさぁーんっ!!」

「うひゃぁ?!」





突然耳元で大きな声がして、

思わず鞄を後ろに振り回してしまった。


ので、背後に立っていた人の顔面にクリーンヒット。





「ご、ごめんなさい今井さん!!」

谷川「いや今のは今井さんが悪いっすよ」

今井「気にしないでください、Aさん……
あなたのパンチは確実に俺のハートを貫きました」

「どうしよう、殴ったせいで頭おかしくなっちゃった……」

谷川「もともとこういう人かな」




しかし今井さんは本当に平気みたいで、
無邪気に歯を見せて笑いながらニコニコしてる。


開久戦からずっとこんな調子。


まぁ楽しそうだからいいけどね。








今井「Aさん、サ店行きませんか?」

「お金ないですよ」

今井「ご馳走しますよ谷川が」

谷川「え」


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