伊藤の妹たちの番外編 part3【今日から俺は！！】

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*S-side







この間借りていたマフラーを返す、と言われ

俺がそっち行くと言って待ち合わせすることになった。



しかし道中、他校の奴に無駄な喧嘩を吹っ掛けられ

それを片していたら随分遅くなってしまい。




帰ったかもしれないが、一応待ち合わせのバス停まで来てみると……







「すぅ……くぅ……」

相良「………………」






なんつー顔で寝てんだよ……。


は? ここ普通に人通るよな?

馬鹿なのかコイツ。




俺は慌てて壁に寄りかかりながら眠る
Aの肩を乱暴に揺すった。




相良「オイ起きろ。A」

「んー……あと五年だけ……」

相良「長ぇわ。っておい、こら、」





寝ぼけてるのか俺の腕にふにゃ…と寄りかかってくる。


そのあたたかい温もりを振り払える訳もなくて。




ベンチに寝転がる前に素早く隣に座ると、

俺の肩に頭を預けてきた。







ドッドッドッと容赦なく弾む心臓。


これ、コイツに聞こえてんじゃねぇの?ってくらい。





…情けね。






仕方ないからそのままもう少し寝かせてやることにした。


遅れてきた俺も悪いわけだし、

暗くなったら送ってやることもできる。


……そっちのほうが、……長く居られそうだし。







相良「……にしても、髪の毛サラッサラだな」




そっと黒い髪の毛を掬ってみれば、

指の間をするする落ちていく。


そのまま少し下にずらしてみると、

白くて柔らかい頬に触れることができた。







相良「……無防備にもほどがあんだろ」






ふと、小さな口に視線がいってしまい。


柔らかそうなそれをジッとガン見して、

いやいやいや……と我に返る。





何見てんだよ俺。アホか。








相良「……マジで早く起きてくれ」









これ以上我慢してたら、たぶん、おかしくなる。




気分を紛らわそうと、Aが持っていた
紙袋の中身を見てみることにした。



綺麗に畳まれたマフラーと、

小さなチョコのロールケーキ。




……甘いのあんま食わねぇけど。








相良「……あ?」




よくよく見るとラッピングされた袋に
メモ帳のようなものがついていた。




それを見た瞬間、

胸の奥の我慢してた気持ちがブワッと溢れてきて、





相良「っA……」

「んが……わぁっ!!ご、ごめんなさい〜!!」





……タイミング悪く、起きてしまった。









.





アレコレ我慢する相良くんでした。

文字数との戦い……


最後は誰でしょうか……!

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