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ひゃくきゅうじゅうろく!! ページ49

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お兄ちゃんは「いててて……」と目をつぶってから、
ゆっくり私のほうに微笑んで見せた。




伊藤「どしたの、A」

「どしたの、じゃないでしょ馬鹿兄!!
なんでこんなボロボロになってんの!!」

伊藤「いやぁ、ちょっとね」

「もう……!!とにかく病院行かなくちゃだよ。
片桐さんも」

片桐「俺はいい」

「何言ってるんですかそんな血だらけなのに!!」






私の呼び止める声も無視して
片桐さんはヨタヨタと歩き出す。


追いかけたかったけど、
お兄ちゃんを置いていくわけにはいかないし。




どうしよう、と悩んでいると遠くから
お兄ちゃんと私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。





伊藤「京ちゃん…!」

「京子さん!」

早川「A、何があったんだ?」

「分からないんです。私が来たときにはもう……」

早川「伊藤さん……、」

伊藤「京ちゃん、俺は大丈夫だよ。
……A」

「?」

伊藤「……智司、追いかけてやれねぇか?」

「……分かった」







気ィつけろよ、と京子さんに見送られて
私は智司さんが歩いていった方へ駆け出した。


人の少ない住宅街の抜けた先、
商店街との間にある裏道へ大きな開久灰色の学ランが
入っていくのが見える。








後ろから走ってきた私に片桐さんは
驚いたように目を見開いて振り返った。



片桐「何しに来たんだよ!!」

「病院行きましょう、片桐さん」

片桐「チッ、マジで俺に関わるんじゃねぇよ。
お前も巻き込まれるぞ」

「知り合いが大ケガしてるのにサヨウナラって出来るわけ無いじゃないですか」

片桐「……病院には行かねぇぞ」

「なら私が手当てします。公園にいきましょう。薬局もすぐ近くですし」

片桐「……おう」





ようやく折れてくれた片桐さん。

さっきまで凄い剣幕だったけど、
やっぱり体中痛いみたいで時おり
顔を歪ませていた。





「さあさ、片桐さん。どうぞ」

片桐「……何してんだ」

「おんぶしようと思って」

片桐「脳みそあるのか?」

「安心してください。私、腕相撲強いですから」

片桐「脳みそあるのか??」

「……そんな何度も気かないでくださいよ。
やってみないと分からないこともあるじゃないですか」







ためしに、と言うことで片桐さんに
ちょこっとだけ寄りかかって貰った。





無理だった。









片桐「だろうな」

「うぅ……情けないです……
あ、肩貸しますよ!」

片桐「……良いから薬局行ってこいよ」









.

妹ちゃん×片桐さんはレアです!

さくしゃるーむ。※追記→←ひゃくきゅうじゅうご!!



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天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね!見よう!泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて!!!現実を突き止めないで!!!!!!! (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年12月1日 12時

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