ひゃくきゅうじゅうさん！！ ページ46
.
三橋「はー? お前また京子ちゃんとデートかよ」
伊藤「良いだろ別に」
赤坂「そうよ。それに三ちゃんもAちゃんとデートでしょ」
「いや違いますよ。ただ喫茶店に行くだけです」
三橋「コイツのこういうところがすげぇ嫌!!」
「理子さんもどうですか?」
赤坂「うーんさすがに三ちゃんに殺されちゃうから大丈夫」
学校からの帰り道。
これから京子さんとデートで
ウキウキしてるお兄ちゃんに突っかかる
三橋さんは大きくため息を吐いた。
……相良さんからのあの言葉は誰にも言ってない。
告白……、ではないと思う。
でもあの『好き』がどういう意味か分からなくて、
伝えてくれた理由も分からなくて。
なおさら誰にも言えなかった。
伊藤「それじゃぁ俺は成蘭に迎えに行ってくるね」
「いってらっしゃい。夜ご飯は?」
伊藤「夜ご飯までには帰ってくる!」
「はーい」
じゃぁね!と何度も手を降ってから
スキップ……いや、あれはスキップじゃない。
なんだろう。なんだろう。
なにか分からないステップ……スキップでいいや。
スキップをしながら商店街を抜けていく。
何回もデートしてるのに飽きないもんなんだなぁ……。
と思いつつ私は三橋さんとデートというものを
したことがない。
赤坂「それじゃぁ私はこの辺で」
「明日稽古お願いします!」
赤坂「うん!それじゃぁね、三ちゃん、Aちゃんっ」
そう言って理子さんも可愛く手を降って
お家の方の道へ歩いていく。
残された私たちはというと。
三橋「……い、行くか。サテン」
「は、はい」
三橋「……ん、」
「ほ?」
三橋「…………デートだろ、一応」
歯切れの悪い「デート」に
情けなくも顔が熱くなってしまう。
三橋さんの差し出された手をそっと握れば
ぎゅっと繋がれた。
……こ、恋人っぽい!!
「み、三橋さん手大きいですねっ」
三橋「オメーが小さいだけじゃ」
「き、緊張しますねっ」
三橋「……それは言うなよ」
「緊張してないんですかっ?!」
三橋さんは不機嫌そうに目を細めて私を見下ろす。
……耳が赤い。
強く手を握ると「知らねー」とぶっきらぼうに
吐き捨てて前を向いた。
聞かなくても照れてるのが分かるから、
胸の奥から三橋さんへの愛と尊い気持ちが
ぶわっと溢れて、
なんかもう泣きそうになる。
ボイスレコーダーも、
今回ばかりは問題なく録音できた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (
レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね！見よう！泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて！！！現実を突き止めないで！！！！！！！ (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年12月1日 12時
