伊藤の妹は三橋にゾッコン。Part4【今日から俺は!!】

ひゃくきゅうじゅういち！！ ページ44

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ある日の夕方。



私は替えの包帯を買うべく薬局に来ている。






あの廃工場事件のあと、病院に行くと
幸いなことに打撲で済んでいたことがわかった。



バットで殴られたのに打撲で済んだことに
お医者さんも看護師さんもまるで化け物でも
見るかのような眼差しを向けてきて、


部屋を出る直前に「サ○ヤ人」と呼んでいたのが
聞こえたのを私は生涯忘れない。







打撲、ということなので
安静にしておけば治るけど

お兄ちゃんは包帯と湿布を巻く!と聞かなくて。



今も「俺が買いにいく!」としつこかったけど
至れり尽くせりは疲れてしまうので、逃げてきた。








相良「A」

「相良さん! なんだかお久しぶりですね」

相良「……そうだな」





薬局から出てきた相良さんは、

私に軽く挨拶をすると「それどうした」と
包帯で巻かれた手首を指差す。






「ちょっと怪我しただけです。あ、そんな酷くないですよ」

相良「嘘つけ。だったらそんな巻かれることねぇだろ」

「巻いたのはお兄ちゃんです」

相良「……何買いに来たんだよ」

「包帯と湿布です」

相良「…………付き合うぜ」

「え?」

相良「利き手使えなかったらやりづれーだろ」

「いや良いですよ! 買うのは二つだけですし……」







しかし相良さんはすでにUターンして薬局に入っていく。



優しいんだよなぁ……やっぱり。



顔は悪党面だけど。








私は相良さんの優しさに甘えることにした。








「相良さん何か食べたいものありませんか?
お礼にご馳走します」

相良「いらん。そういうのウゼェんだよ」

「善意には善意を、ですよ」

相良「俺のは善意じゃねぇ、ついでだ」

「……相良さんって不器用ですよね」

相良「あ?」

「優しいのに、言い方が怖いんですもん」

相良「だから、俺は優しくねぇって」

「優しくなかったらこんな風にしてくれませんよ」

相良「それは…………ッ」







なぜか押し黙る相良さん。


近くにあった熱冷まシートを掴んで、
動かなくなってしまう。




……湿布じゃないけど、分かってるかな。









相良「……危なっかしいから目ぇ離せねぇんだよ」

「そんな危なっかしいですか? あとちなみにそれ湿布じゃないですよ」

相良「違うのか?」






早めに指摘すると、

相良さんは熱冷まシートの箱を持ったまま
キョトンと目を見開く。






……この人かわいいな。









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久々に書く相良さん楽しいです笑

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