ひゃくきゅうじゅう!! ページ43
*A-side
赤坂「一件落着……かしら」
伊藤「……そだね」
Aちゃんを抱えた三ちゃんが
工場を後にしたのを見計らって、
私と伊藤ちゃんと椋木先生は
物陰から出てヘルメのほうにいく。
山口先生に暴力を奮ったのもあるし、退学は確定だ。
他所で暴れなければいいけど……。
赤坂「それにしても、伊藤ちゃんが飛び出していかなかったのはビックリだわ」
椋木先生がヘルメを引きずっていくのを
見守りながら話しかけてみると、
伊藤ちゃんは分かりやすいくらい
顔を苦くして見せた。
伊藤「我慢しすぎて発狂しそうだった……」
赤坂「ああ……」
伊藤「……でも、俺が出てったら三橋は素直になれねぇだろうし。これで良いとは分かってるけどね」
赤坂「伊藤ちゃん……」
超が付くほどの妹が大好きな伊藤ちゃん。
相当辛かったのかも。
もしかしたら、苦虫を食べる方がマシなくらい。
伊藤「……理子ちゃんは?」
赤坂「え?」
不意に顔を曇らせた伊藤ちゃんは
どこか申し訳なさそうに私に聞いてきた。
伊藤「理子ちゃん、三橋のこと……」
赤坂「あー……うん。羨ましいなぁとは思うよ」
伊藤「……」
赤坂「お互いを本気で大切にしていて、思い合ってて。もっと素直になりなよって言いたくなるけど、あれが今の二人のペースなのよね」
伊藤「……そうだね」
赤坂「なんだか応援したくなっちゃうんだよなぁ。
あの二人のこと」
伊藤「わかる……いや、分からねぇ!! 分かりたくない!!」
赤坂「ふふ。だから、大丈夫かな」
伊藤「そっか」
安心したように微笑んでくれた。
良いお兄ちゃんだよなぁ、伊藤ちゃんって。
……まぁ重度のシスコンだけど。
赤坂「ねぇ、きっとあの二人病院に行くわよね」
伊藤「ああ……」
赤坂「冷やかしにいかない?」
伊藤「いいね。三橋を殴りにいこう」
赤坂「いや一言も言ってないしー……」
あの二人も心配だけど、
伊藤ちゃんもやっぱり心配だ。
これからどうなっていくんだろう。
出来ることなら近くで見守りたい。
椋木「伊藤ー赤坂ー。もう、歩けないー、ヘルメが、バットが、重いよー」
赤坂「無視しよっか」
伊藤「エグいなぁ……」
何て言いつつ、悪戯っぽい笑みを浮かべてる。
私たちは何か叫んでる椋木先生に背を向けて、
病院のほうに駆け足で走り出した。
.
9話はいつ入ろうかな…
1194人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね!見よう!泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて!!!現実を突き止めないで!!!!!!! (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年12月1日 12時