伊藤の妹は三橋にゾッコン。Part4【今日から俺は!!】

ひゃくはちじゅうご！！ ページ38

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───咄嗟に手を出してしまい、

金属バットが容赦なく私を叩き殴った。




さっき殴られた腰と、手首が凄まじい熱と痛みで燃えてるみたい。







「……っは…ぅ……、…」

ヘルメ「おいおい、もう終わりかよ?」

「……プライドの欠片も無いのね」

ヘルメ「喧嘩は勝てりゃァ良いのさ」

「…………ダッサ」







関係ない人巻き込んで、

バットとヘルメ装備して、

挙げ句の果てにナイフで二刀流?






「はは……笑わせないでよ」

ヘルメ「強がってなくて良いんだぜネーチャン。ほんとはもう立つのもやっとなんだろ?」

「……っ、…」




悔しいけど、その通りでもある。


一歩でも歩くと殴られた部分に響くし、
手首はもうなにもしなくてもずっと痛い。


ぶっちゃけ泣きそうだよ。ほんと。









「ふふ……」

ヘルメ「何がおかしい!!」

「私のお兄ちゃんの気持ちがわかるなぁって……」







殴られまくって、痣だらけで、

歩くのもやっとな私が言う台詞じゃ

ないかもしれないけど。





それでも彼らのあの大きな背中を思い浮かべたら

痛いのなんか、へっちゃらだった。




「強くなったよ」って言って驚く顔を

想像したら、なにも怖くない。









「……私の兄なら、きっと、こう言うよ。

……『卑怯な奴には絶対負けねぇ』って」


ヘルメ「……なんだと?」


「それと……“あの人”ならこう言うかな」







……三橋さん。


私はやっぱり、弱くて、生意気なだけの女だけど。








……でも、絶対だれにも負けないところがあるよ。









「……『俺より威張ってる奴は叩き潰す』

ってね」



ヘルメ「ははっ舐めてんのか?
そんな状況で俺を叩き潰すつもりかよ!」

「……っ」

ヘルメ「それによォ! テメーの兄ちゃんも昨日俺にボコられてただろうが!!」

「……なにそれ、ボケてんの?
突っ込んであげようか?
『お前もな』って」

ヘルメ「ひゃっははは……殺してやるよ。
俺は怒ったぜ……」








もう、骨が折れようがなんだっていい。



コイツだけには負けたくない。






ゆっくり足を広げて構える。


ズキ、と痛みが走った。





痛みで目の前が霞んでる。









……次にバットで殴られたら、


たぶんダメかもしれないな。









ヘルメ「死ねェェェエｯｯ!!」


「っ!」









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瞬間、ヘルメ男が勢いよく吹き飛び、









私の前に、“あの人”が立っていた。




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