ひゃくはちじゅう！！ ページ33
*M-side
三橋「……はぁー」
夜の九時前。
俺の頭はどうやら腐っちまったらしい。
いよいよ腐った蜜柑として
ムッくんに怒られる日が来そうだぜ。
三橋「Aのヤロー……ちゃんと家に帰ったのか?」
関係ない、と言い切った手前、
わざわざ確認するのもおかしい。
つかAの兄が伊藤ってのが
一番厄介なんじゃ。
ますます電話しづれぇーし。
その時、こんな時間だというのに
玄関から誰かが入ってくる音と声がした。
赤坂父「はいどうもー上がらせていただきますぅー」
一郎「いやなんでなんで」
……なんであのオッサン、うちに来てんだよ。
赤坂父「いやなんかね、うちの娘がねうん、おたくの、おたくの貴志くんにね? 一言、言いたいらしくてね」
は?
赤坂「そういうわけで、上がらせていただきます」
一郎「どうぞ……」
赤坂父「では私も……」
愛美「いやいやいや」
赤坂父「え、なんで、なんで理子はよくて、えぇ??」
玄関ではまだ揉めてる声が聞こえてくるが、
明らかに階段を登ってくる音がする。
赤坂「三ちゃん! いるんでしょ!!」
三橋「……げぇ。なんでお前俺んち来たんだよ」
赤坂「言いたいことがあるの。ここを開けて」
三橋「ケッ。やだね。帰れ詐欺師」
赤坂「そう。……じゃぁ仕方ないわね」
やけにあっさり帰るのな、
と言いかけた瞬間。
ドゴォオオｯｯ!!
三橋「……は?」
凄まじい勢いでドアがぶち壊され、
微妙なセンスの私服を着た理子が
「やっ」と手を上げた。
三橋「はあ?! おま、何やってんの?!
え?! 仕方ないわねでドアぶち開けるの?!
おかしくねぇか?! 思いきりが良すぎるだろ!!
何の躊躇いもなくぶっ壊したぞ?!」
赤坂「そんな話をしに来たんじゃないの」
三橋「だろうね!! ドアぶっ壊してもそんな堂々としてるもんね!!」
赤坂「Aちゃんが、ヘルメの一年生に襲われたの」
瞬間、胸に冷たい刃物を突きつけられた感覚になった。
反対に全身の血管が熱くなる。
赤坂「軽傷で済んだわ」
三橋「……そうか」
赤坂「帰りにね……Aちゃんが言ってたの」
三橋「……え?」
……今日ほど自分を殴りたい気分になったのは初めてだ。
Aの聞いたことの無い想いを、
俺は知らずにいた。
知ろうともしなかった。
アイツがどんな想いで、
“強くなりたい”と言ったのかを。
.
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天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (
レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね！見よう！泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて！！！現実を突き止めないで！！！！！！！ (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年12月1日 12時
