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ひゃくななじゅうきゅう!! ページ32

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保健室からの帰り道。



赤坂「私は大丈夫よ。Aちゃんをちゃんと送るから」

伊藤「でも、理子ちゃんも女の子だし……」

赤坂「いいの。伊藤ちゃんのお家からそんな遠くないし。それより三ちゃんに会ったら説教したいし」

伊藤「うーん……気をつけてね」







というわけで、私は理子さんと帰っている。


でも、色々申し訳なくて顔も見れない……。





赤坂「良かった。大怪我にならなくて。間に合ったみたいね」

「……ごめんなさい、迷惑、かけちゃって」

赤坂「気にしないでって言いたいところだけど。説教するわよ?」

「あう……」




理子さんは私の正面に回って腰に手を当てた。

怒ってる顔も可愛いです……。




赤坂「もし私や伊藤ちゃんが
駆けつけられなかったら、どうするの?
大怪我して、心配かけて……
伊藤ちゃん、パニック障害になっちゃうわよ」

「……」

赤坂「それだけじゃない。
京子ちゃんも引きこもっちゃうし、
佐川くんも不登校になっちゃう」

「……私の影響、おかしくないですか?」


赤坂「三ちゃんも、悲しむわ」





じっと見つめられて、何も言えなくなる。



理子さんは私の両肩に手を置くと、

目線を合わせるように少し屈んだ。







赤坂「……Aちゃんが、強くなって、
三ちゃんの隣に並びたいと思う気持ちは
すごくわかる」

「……」

赤坂「でもね。

三ちゃんも同じくらい、Aちゃんを
守りたいと思ってるの」

「そうです……かね」

赤坂「どうして? そうに決まってるじゃない!」






だって私、何も取り柄がないもん。


理子さんみたいに強くないし、

お兄ちゃんみたいに正義感強いわけでもない。






「私は……三橋さんの言うとおり、

生意気なだけなんです……ッ…」


赤坂「Aちゃん……」


「生意気で……っ、可愛くなくて……

足引っ張ってばっかで、……っ…


弱いんです……ッッ…、……」









そっと首に回る、理子さんの腕。



ヒロインみたいな良い匂いに包まれて、

心が溶けてしまいそう。






理子さんは「そっか」と優しく頷きながら

頭を撫でてくれた。







「でも……っ、弱くても……、っ……

三橋さんたちみたいに…………闘いたいです…っ…


目の前で誰かが傷ついてるのに……、…


……何もできないのは…、もう、やだよ……っ」









理子さんのセーラーに涙のあとが染みていく。









────何度も、何度も。

ひゃくはちじゅう!!→←ひゃくななじゅうはち!!



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天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね!見よう!泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて!!!現実を突き止めないで!!!!!!! (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年12月1日 12時

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