ひゃくななじゅうはち！！ ページ31
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お兄ちゃんは少しだけ私の方に振り返り、
「遅くなってごめん」と笑いかけてくれた。
伊藤「A、すぐ終わらせるからちょっとまっててね」
ヘルメ「んだてめぇ……引っ込んでろ松ぼっくり!!」
伊藤「は……はああぁ?!」
……松ぼっくり。
……いや似てないな、うん。
絶対あのヘルメは自分だけ面白いと思って
浮いちゃうタイプだ。
だいたいそういう人は目立ちたがり。
とか考えてたら、ぶちギレたお兄ちゃんは
ヘルメの上から思いきり殴り飛ばす。
伊藤「初めて言われたわ松ぼっくり!!
もっと他にあっただろウニとかなんか知らねぇけど!!」
「うん……松ぼっくりはセンス無いと思う。
せめてパイナップル」
伊藤「ぱ、パイナップル……」
「って、今めっちゃ痛かったでしょ? 大丈夫?」
お兄ちゃんの手の甲を見たら、
真っ赤になっていた。
これは腫れそう……。
「……っ、ごめんお兄ちゃん。
私が弱くて力無いから……」
伊藤「良いんだよ、A。
間に合って良かった」
お兄ちゃんは優しく微笑んで、
私の頭を撫でてくれる。
……シスコンバカ。
なんでそうやって、いつも優しいのさ。
突然、倒れていたヘルメ男がゆっくり
立ち上がったかと思うと、
言葉を発する間もなくお兄ちゃんの背中を思いきり殴った。
鈍い音ともに、お兄ちゃんは地面に倒れる。
「お兄ちゃんｯｯ!」
ヘルメ「くそっ、しね、死ねェ!!」
伊藤「っが、ふっ……、ぐｯｯ」
「やめて、離してよ!」
ヘルメ「うるせえぇ!!」
思いきり突き飛ばされ、
情けなくも尻餅をついてしまう。
ハッとして顔をあげた時には
バットを振りかぶっていた。
ヘルメ「決着といこうか───」
──世界が、スローモーションに見えた。
ふと真上をグレーのセーラー服の女の子が
飛び出してきたかと思うと、
勢いよくヘルメの顔面に足がめり込んでいく。
ヘルメ「なんじゃぁあ!」
そしてすぐさま、両脇から黒のセーラー服が
二人走っていって、
たった二発でノックダウン。
まさにヒーローだ。
「理子さん、京子さん、明美さん!!」
赤坂「Aちゃん大丈夫?!」
川崎「A、しっかり!」
早川「伊藤さん!!」
伊藤「ん……ん、ん?! きょ、京ちゃん?!」
ほっとした時、頭の隅に金髪が過る。
でも、それもすぐになかったことにした。
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天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (
レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね！見よう！泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて！！！現実を突き止めないで！！！！！！！ (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年12月1日 12時
