ひゃくろくじゅうよん！！ ページ17
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時間はあっという間に過ぎてしまい、
時刻は六時過ぎ。
冬終わりだけど外はもう夜に変わりつつある。
「今日は突然のお誘いに乗っていただき、
ありがとうございました」
紅野「いーえ。楽しかった?」
「はい!!」
紅野「ならよかった。何で帰るの?」
「電車ですかねぇ」
紅野「そんな大荷物で?」
「うぐっ……」
紅野さんはちょっと馬鹿にするみたいに
目を細めて私の両手に埋まるウサクマたちを指差した。
ただでさえ、一眼レフ、ボイスレコーダーと
お金をついだのに無計画に買いすぎてしまい、
私のお財布はほぼ空っぽ。
手首には袋が二つずつぶらさがり、
大きなぬいぐるみを抱えているので歩くのも大変。
しかも、持ちきれない袋を紅野さんに
持って貰っちゃっている。
紅野「見ててヒヤヒヤしてたけど、
Aちゃんって夢中になると周り
見れなくなるでしょ」
「……おっしゃる通りです」
紅野「よし、じゃぁ紅野さんがタクシーに乗せてあげるよ」
「そっそれは駄目です!!」
紅野「いーからいーから」
「お、お金は返します!!必ず!!」
スタスタとタクシー乗り場の所に歩き出す紅野さんの
背中に向かって叫べば、
ふっと柔らかく微笑んで
「じゃぁまたデートしようね」と言ってくれた。
……ん?
これってデートだったの……??
紅野さんがすぐにタクシーを捕まえてくれて、
荷物を後ろのトランクに突っ込むと
私のあとに一緒に乗り込んだ。
「紅野さん、往復しちゃいますよね……?」
紅野「俺がもうちょっとAちゃんと
話してたいからいーの」
「紅野さんって女の子に甘いですね」
紅野「そ?」
私は運転手さんに家の近くの住所を伝えると
すぐに発進。
夜の東京はピカピカしている。
紅野「Aちゃん」
「はい?」
紅野「Aちゃんは、三橋の彼女だよね」
「……、一応」
ぬいぐるみをなんとなく抱き締める。
紅野さんは窓に肘を付きながら
クスッと笑った。
紅野「だから、言いたいこと言えば良いんだよ」
「え?」
紅野「構ってほしい、とか、好きって言ったり」
「……」
紅野「そういうのは、そういう人たちじゃないと言えないんだから」
「……はい」
さすが東京人。
恋愛マスターと呼ばせてもらおう。
「一時間くらいかかるし、寝ちゃえば?」と
いう言葉を言われた気がしたときには、
私はぐっすり寝てしまっていた。
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天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (
レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね！見よう！泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて！！！現実を突き止めないで！！！！！！！ (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年12月1日 12時
