ひゃくよんじゅうはち!! ページ1
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「……三橋さん」
三橋「あん?」
「見てて面白いですか?」
三橋「うん」
夜。
私の家になんと三橋さんが居ます。
あのあと一緒に帰りながら
「いつかお前の飯食ってみたい」と
言ってくれたので、
今日来ますか、とお誘いしたら即答で「行く」。
本来、夜ご飯はお兄ちゃんの当番だけど
早川さんと喫茶店寄って帰るって言ってたし。
「三橋さんって料理するんですか?」
三橋「んなわけねぇだろ」
「ドヤ顔の意味がわからない」
三橋「A、袖」
「ありゃりゃ……」
三橋「しょうがねぇな」
捲っていた制服の袖を
三橋さんが横からくるくると捲っていく。
……なんでこんな恥ずかしいんだろ。
視界に入る三橋さんの手はやっぱり大きい。
「……ありがとうございます」
三橋「おう。にしても伊藤は何て言うんだろうな」
「何がですか?」
三橋「俺たちのこと。発狂しそうじゃね?」
「おれたちのこと……」
三橋「……っなんだよ!!今さら照れる事でもねえだろ!!」
「なっ、慣れてないんです! 実感もあんま湧いてないし!!」
三橋「くそ、お前が照れるからこっちが恥ずかしくなってきただろうが!!」
「しょうがないじゃないですか、だって──」
その時、玄関の扉が開くと同時に
「ただいまぁ〜」とご機嫌なお兄ちゃんの声。
思わず私たちは黙ってしまう。
伊藤「……三橋の靴がなんで、」
その呟きが聞こえた瞬間、
ドドドド!!と足音が迫ってきて、
切羽詰まった形相のお兄ちゃんが
リビングに入ってきた。
私と三橋さんを見比べるとなお顔を青くする。
伊藤「テメェ三橋!!なんで俺の家に居やがる!!」
三橋「いきなりでけぇ声出すなよウニ頭!!
Aの飯食いに来たんだよ文句あんのか!!」
伊藤「大アリだわ!!さっさとAの隣から離れろ!!」
三橋「んだとテメェ……!ボコボコにしてやろうか……!!」
伊藤「上等だゴラ……来いよ、ケチャケチャにしてやる……!!」
「……二人ともうるさい」
「「だってコイツが!!」」
こうなるだろうとは思ってたけど……。
私は二人に手を洗ってくるように言って、
リビングの椅子に座ってるよう命令した。
伊藤「はぁ……なんでこんな奴と飯食わなきゃいけねぇんだよ」
三橋「じゃぁ出てけよ」
伊藤「お前が出てけ」
「……いい加減、ご飯抜いてほしいの?二人とも」
伊藤「……」
三橋「……」
「……はぁ」
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天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね!見よう!泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて!!!現実を突き止めないで!!!!!!! (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年12月1日 12時