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もしも君が彼氏なら,5 ページ5

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▽伊藤真司さんの場合
※彼氏じゃありませんごめんなさい

.









「お兄ちゃん、今日だけ私の彼氏になって!」

伊藤「……はい?!」



突然の妹の申し出に意味もわからず、

なぜか胸を膨らませながら連れてかれたのは
馴染みのある喫茶店。


そこには……




伊藤「……カップル割り?」

「私、今月金欠でしょ。でもこのカップル割りなら半額でパフェ食べれるの!」

伊藤「そういうことね……」

「だめ?」





可愛い妹のお願いを断るわけがない。

どうやらカップル割りをするには
手を繋いで入店が決まりらしく。


Aは少し恥ずかしそうにしながらも
俺の手を握りしめた。


相変わらず、小さな手。



伊藤「小学生以来だな。繋ぐの」

「そだね」

伊藤「……」




この手がいつか、俺ではなくて

他の誰かを求めるようになるのだろうか。



伊藤「……兄ちゃんは辛いよ」

「え?」

伊藤「なんでもない。行こ、A」



喫茶店に入り、カップル割りを証明して
俺達はカウンター席に腰かけた。


周りはカップルだらけ。


三橋が見たら……



「三橋さんが見たらぶちギレそうだね」

伊藤「えっ」

「え?」

伊藤「同じ事考えてた……」



そう言うと、Aは

「兄妹なんだから当たり前じゃん」

と悪戯っぽく笑う。



兄妹、ね。

もしも俺がAの兄として生まれてなかったら

俺はどうしてたんだろう。


果たしてAは俺のことを……





「お兄ちゃん食べないの?」

伊藤「え?あ、うん。Aが全部食べな」

「太るわ。はい、口開けて」

伊藤「?!」

「今日はカップルだよ?
ね、“真司くん”♪」




……余計なことは考えないでおこう。


俺はAの差し出すスプーンを
パクっとくわえた。


甘いイチゴの味が広がる。





伊藤「んめぇ!」

「だよねー!」

伊藤「もう一口!」

「はいはい」





俺はAの兄で後悔したことはない。


産まれたときからずっと近くにいられたから。





これからも、きっと。









伊藤「……まぁ、余計な虫は俺が排除するけどな」

「??」









.









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鈍感妹×過保護兄



.









……いつもと変わらない伊藤兄妹になりましたね。

次回はいよいよ、金髪パーマです。

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Mia - 三橋と妹ちゃんのキスシーンの絵が欲しいです! (2019年1月26日 16時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - manaさん» ありがとうございます((T_T))でも神じゃないですよ!修行中の身であります(*´-`) (2018年12月10日 22時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
mana - 神かよ…絵上手すぎじゃないですか!? (2018年12月9日 14時) (レス) id: 9204f626b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 更紗さん» 了解です!リクエストありがとうございます(*´∀`)続編で書かせていただきます!! (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なーなーさん» ありがとうございます(*´∀`)こじらせた愛な感じが私も好きなんですよね笑笑あまり書かない雰囲気なので楽しかったです(#^^#) (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年11月20日 21時

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