そうだ、遊園地に行こう。,5 ページ34
*I-side
帰りの電車の中。
クマとウサギのぬいぐるみを抱き締めてるAは
俺と三橋の間でぐっすり眠っている。
三橋「マヌケな面だな」
伊藤「静かにしろよ」
三橋「夜苦手なのにハイテンションに
なったせいで、そっこう寝たぜコイツ」
伊藤「楽しかったんだろ。
……乗り換えはないし寝かせてやれ」
へーへー、と面倒そうに返事をする三橋。
ガタン、と電車が揺れるとAは
俺の方に凭れてきた。
昔から変わらない、あどけなさの残った寝顔。
毎朝毎晩見てはいるけど今日は特に嬉しそうにも見える。
三橋「にしてもお前、カチューシャ無理矢理つけるから変な跡ついてるぞ」
伊藤「えっ、嘘だろ」
三橋「すれ違うネーチャンたちが笑ってたの気づかなかったのかぁ〜?」
伊藤「なんだよそれ、もっと早く───」
ガタン、
また電車が揺れると今度は
三橋の方に凭れるA。
一瞬、三橋の顔が緩んだのを俺は見逃さなかった。
伊藤「おい」
三橋「な、なんだよ」
伊藤「Aを返せ」
三橋「はぁ?!起こすなって言ったのはお前だろ、そっとしといてやれよ!」
伊藤「今お前変な妄想しただろ!!丸分かりなんだよ!!」
三橋「してねーわボケ!!」
ガタン、
再び俺の肩に凭れるA。
伊藤「……ふふん」
三橋「……おい、そのムカつくドヤ顔やめろ」
伊藤「俺はお兄ちゃんだからな。
お前とは肩の安心感が違ぇんだよ」
三橋「んだとそんなもん──」
ガタタンッ
大きな揺れのせいで、Aは三橋の肩、
というより胸元の方へずり落ちていく。
三橋「ぉ、おま……っ!!」
伊藤「三橋ィー!!テメェちょっとでもAに触れてみろ、一瞬でお前の金髪を灰色に染めてやる……!!」
三橋「やってみろよゴラ利根川の濁流に沈めてやるよオラ」
伊藤「ぶっ殺す……!!」
三橋「上等じゃァ……!!」
しかし、不意にむくりと身を起こしたAは
眠たげに目を擦りながらイライラした様子で
ぽつりと呟いた。
「……二人ともうっさい」
三橋「……はい」
伊藤「……ごめんなさい」
.
次の日、Aの部屋にはあの二匹のぬいぐるみと
俺達の記念写真が飾られていた。
もちろん三橋には教えてやらないけど。
.
.
リクエストありがとうございました!!
楽しかったです……!!
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 471人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mia - 三橋と妹ちゃんのキスシーンの絵が欲しいです！ (2019年1月26日 16時) (
レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - manaさん» ありがとうございます((T_T))でも神じゃないですよ！修行中の身であります(*´-`) (2018年12月10日 22時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
mana - 神かよ…絵上手すぎじゃないですか！？ (2018年12月9日 14時) (レス) id: 9204f626b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 更紗さん» 了解です！リクエストありがとうございます(*´∀｀)続編で書かせていただきます！！ (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なーなーさん» ありがとうございます(*´∀｀)こじらせた愛な感じが私も好きなんですよね笑笑あまり書かない雰囲気なので楽しかったです(#^^#) (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年11月20日 21時
