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もしも君が彼氏なら,3 ページ3

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▽片桐智司さんの場合

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「さささ智司さん……?!」



夕方、喧嘩を終わらせてきた俺は
ばったりAと遭遇。


Aは俺の顔を見るなり顔を真っ青にした。



「頭からケチャップが……!!」

片桐「安心しろ。血だ」

「大問題ですよ!」



あわあわとティッシュで血を拭うA。


手が汚れるぞ、と注意しても耳に届いてないようで。





「ほんと彼氏さんが心配です……」

片桐「すまん」






俺は結構、ズルい奴だ。


ズルいというか、卑怯というか。



Aがこうして心配してくれるのが

嬉しいと思う自分がいる。


だからわざと、出血はそのままにしてしまったり。



我ながら、呆れる。




片桐「A」

「はい?」

片桐「いつも、ありがとうな」




Aの顔を見ると、
自然と口元が緩んでしまう。



彼女は「良いんですけどねっ」と
ぶっきらぼうに答えるけど、

耳が赤かった。




そっと手でAの傷ひとつない綺麗な
頬を包んでやると、

ビックリした顔で固まってしまう。





「さと……しさん、」

片桐「……」

「……ッ」




ぎゅっと目をつぶるAの反対の頬に

一瞬だけ口を寄せる。


プルプル肩が震えてるのが可愛くてたまらない。


喧嘩ばかり、血生臭い日々なのに
Aと会えば全部忘れてしまう。





「……ッ、智司さんって大胆ですよね………」

片桐「駄目か?」

「ダメじゃ………ない、……デス」

片桐「そうか。安心した」

「智司さん……?」






Aが愛しくてたまらない一方で、

俺なんかが触ったら壊してしまいそうな不安もある。



いつもいつも気持ちをコントロールしようとしても、

理性は止められそうにない。



このまま続いたら、
いつかAを泣かしてしまいそうだ。


それだけは、絶対にしたくない。




「包帯巻きます?」

片桐「いや、いい。……用意周到だな」

「いっつも誰かさんが生傷残してフラフラしてるからですよ」

片桐「そうか」

「……わかってます?」









ジトー、と見つめてくるA。


俺とは違って、コロコロと表情を変えるから

羨ましいしなおさら愛しくなっていく。





俺は、そんな彼女の頭をゆっくり撫でて、


無意識に、笑っていた。









片桐「また、頼むな」

「……出来れば怪我しないでくださいよ」

片桐「ああ」









.



心配性彼女×甘えたい彼氏



.









次回は相良さんです。ウッヒョォ

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Mia - 三橋と妹ちゃんのキスシーンの絵が欲しいです! (2019年1月26日 16時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - manaさん» ありがとうございます((T_T))でも神じゃないですよ!修行中の身であります(*´-`) (2018年12月10日 22時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
mana - 神かよ…絵上手すぎじゃないですか!? (2018年12月9日 14時) (レス) id: 9204f626b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 更紗さん» 了解です!リクエストありがとうございます(*´∀`)続編で書かせていただきます!! (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なーなーさん» ありがとうございます(*´∀`)こじらせた愛な感じが私も好きなんですよね笑笑あまり書かない雰囲気なので楽しかったです(#^^#) (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年11月20日 21時

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