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君を想うゆえ,3 ページ11

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「……」

伊藤「……」

「……入れば」



保健室でぼんやり眠る5時間目の休み時間。

寝てるだけでも安静にしてたからか、
だいぶ体は楽になってきた。



部屋の外からものすっごい視線を感じたので
声をかけてみたら予想通りウニ頭が
ひょこっとカーテンから顔を出す。




伊藤「A、あの…………」

「……」



佐川「伊藤さん頑張って!」

三橋「砕けろ砕けろ」

赤坂「フォローはちゃんとするからね!!」

伊藤「みんな……!!」



「ちょっとまって何人で来てんの」




思いきりカーテンを開ければ、
なんと三橋さん、理子さん、佐川さん、
あと愉快な仲間達。

愉快な仲間たちは多分お兄ちゃんの
クラスの人だと思うけど知らない人ばかりだ。


……この人達何してんの?





伊藤「A、聞いてくれ」

「やだよ。ギャラリー多すぎるでしょ」

伊藤「そんな……っ」

赤坂「Aちゃん聞いてあげて!」

佐川「伊藤さん今日ずっと抜け殻だったんすから!!」

モブ「お兄ちゃんの話に耳傾けろ!!」

モブ「兄妹だろ?!」

モブ「お願い、どうか仲直りして!!」


「え、何この空気」




やだ知らない人たちに全力で
訴えられてるけど何も響いてこない。


私が悪いの?

私の考えがドライすぎるの?



お兄ちゃんはクラスの人に背中を
擦られて、半泣きで頷いてみせる。

ボクシングの試合に負けた選手みたいだよ。

真っ白になる直前のあの人みたいだよ。


なんなのほんとに。

突っ込んだらいいの?

もうわかんないよ助けて。






三橋「A」

「はい」

三橋「コイツはな。今日一日中俺の席で灰になってたんだ」

「……はあ」

三橋「分かるか?俺の早弁がスムーズに出来なかったんだよ」

「めっちゃ知らんがな」

伊藤「A!俺はAが好きだ!!」

「いきなり公開告白しないでお兄ちゃん。愉快な仲間たちは黙ってください。ヒュゥ〜じゃないです。無駄に盛り上げないでください」

赤坂「Aちゃん、付き合っちゃいなよ!」

「誰ですか理子さんにこんな茶番に付き合わせたの」

三橋「俺」

「出てけ」









丁度山口先生が保健室の前を通り、
この異様な光景に悲鳴をあげたので
慌ただしく皆さんは退出していく。









「……仲直りしづらくなったんですけど」









私は一人、ベッドの上でため息をつく。





六時間目の三橋さん白衣versionは

諦めた方がいいかな……。









「……なんか散々だなぁ」








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Mia - 三橋と妹ちゃんのキスシーンの絵が欲しいです! (2019年1月26日 16時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - manaさん» ありがとうございます((T_T))でも神じゃないですよ!修行中の身であります(*´-`) (2018年12月10日 22時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
mana - 神かよ…絵上手すぎじゃないですか!? (2018年12月9日 14時) (レス) id: 9204f626b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 更紗さん» 了解です!リクエストありがとうございます(*´∀`)続編で書かせていただきます!! (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なーなーさん» ありがとうございます(*´∀`)こじらせた愛な感じが私も好きなんですよね笑笑あまり書かない雰囲気なので楽しかったです(#^^#) (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年11月20日 21時

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