e p i s o d e , 7 ページ8
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「愚問だな」
やれやれ、と壁に寄りかかる。
「っ……そうじゃなくて」
布団を握りしめる手が情けなくも震える。
なんでこんな人にすがらないとだめなんだろう。
馬鹿にするくせに。
まともに相手してくれないくせに。
「そうじゃなくてッ……、
大丈夫って、大丈夫だからって……」
「………」
「……っじゃないと私ッ……………」
心臓の病気だと聞かされたとき、
まさか自分が。と信じられなかった。
だけどこうして入院して、
ほかの患者さんと同じ服を着せられて、
こうして病気の至るところに
『美郷A様』と書かれたシールが
貼られていて、
あぁここは間違いなく自分の部屋で
いつかここで死んでしまうかもしれない
なんて、
寝てる間に発作が起きたらどうしようとか、
「先生が大丈夫って言わなかったら………
……、私は………」
「……………」
先生の、ため息が聞こえる。
呆れてしまっただろうか。
でも仕方ないじゃん。
怖いんだもん。
目が覚めなくなったらどうなっちゃうのか
考えただけで……。
視界に、先生の手のひらが近づいてきたのが映った。
突然のことで何も出来ないまま
ぎゅっと目をつぶる。
温かい手のひらが頭の上に乗せられていた。
ゆっくり目を開けると、
少し椅子から腰を浮かして
私と目を合わせるように近寄ってくれてる
渡海先生。
「………無駄な心配してんな」
「……」
「俺が助けてやる。安心しとけ」
「………ッ…」
ポンポン
軽く撫でられた手は、
布団を握りしめていた手に移っていく。
そのまま重ねるとほんの少しだけ、
ぎゅってしくれた。
「………ッ…………、………」
「……まだ不安?」
「………ぅぅぅ〜…………………」
どうしてこの人の言葉なんかで
私はこんなに涙脆くなっちゃうんだろう。
弱いなぁ。
また馬鹿にされてしまう。
渡海先生はバカみたいに泣く私の
手を握ったまま鼻で笑った。
どこか楽しそうで、癪だったけど、
もうどうでもいい。
担当医が、貴方で良かったです。
「不細工」
「う、煩いです」
「ほら、ティッシュ」
「ぐえっ、ちょ、そこ鼻!!
わざとですか?!」
でもこの時間はいつまでもあるわけじゃない。
手術が終わって完治してしまえば、
私はこの人との関係が何も無くなるのだから。
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紫雨(プロフ) - :さん» こちらこそとても嬉しいコメントありがとうございます(*^^*)そんな風に言って貰えて本当に幸せです(´；ω；`)ありがとうございました！ (2018年7月15日 18時) (
レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ゆかりさん» さいごまで読んでくださりありがとうございました(*´∀｀)キュンキュンしてもらえて良かったです！ (2018年7月15日 18時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 麻里さん» 最後まで読んでくださりありがとうございました(*´∀｀) (2018年7月15日 17時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
: - お疲れ様でした！もう本当に毎回楽しみで完結となると少し寂しいです(´・ω・｀)素晴らしい作品を読ませていただきありがとうございました。 (2018年7月15日 15時) (レス) id: 2561c8f55b (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結おめでとうございますー！最後の最後までキュン止まらなかったー！ (2018年7月15日 7時) (レス) id: de2b78e93f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年7月6日 14時
