e p i s o d e , 1 ページ2
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「ん、異常無さそうだな」
「……」
「なに。その顔」
鼻で笑う渡海先生。
タブレットで私の状態を
見てくれてるんだけど
あまりにもあっさりしてる。
私、患者なのに。
「……なんか、もっと色々聞かれるのかなって」
「色々? たとえば?」
「今日天気いいですねーとか、
退院したらなにしたいですかー、とか」
「……」
「無視?!」
勢いよく起き上がったせいで
体に繋がってる管が大きく揺れた。
ピピッと機械音がなる。
「患者ならもっと弱々しくしてたらどうですか」
「ぐっ……先生こそ患者には優しく接するべきです」
「これ以上?」
「これのどこら辺が優しいんですかッ!!」
私の病気は……その、名前は難しくて
覚えてないけどなんか心臓がなんとか……
説明してくれたのが渡海先生で、
これまたざっくりとしていて。
「放っといたら死ぬけど、
まあ俺がやるから大丈夫だろ」
これだけ。
思わず目が点になったかと思った。
いや、もしかしたらなってたかも。
レントゲン見せてくれたり
手術の内容を説明されるのかと
思いきやだよ。
「渡海先生、“優しい”って
辞書で調べてくるべきですよ」
「必要ねぇな」
「それは調べる必要ですか。
それとも持つべき優しさのことですか」
強めに睨み付ければ眉をあげて
半目で軽く笑われただけ。
「それだけ元気だったら優しくする
必要もねぇだろ。
お大事に」
「あっ！先生っ、ちょっと」
白衣のポケットに手を突っ込んで
だるそうに部屋を出ていく。
「性格悪ヤロー! バーカ!!」
先生が出ていった扉に思いきり怒鳴ってやる。
もういいもん。
先生のバカヤロー。
.
およそ五日前。
私は突然発作を起こしてしまい、
この病院に運ばれた。
目を覚ますと既に応急処置は終わっていて、
翌日には担当医が決まる。
父も母も仕事で忙しい人なので、
説明を受けるのも手術にサインするのも
すべて私だった。
だからだろう、渡海先生が
あんなに好き勝手やってくれるのは。
「ほんとに……お医者さんとして
やってこれたのかなぁ……」
.
.
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紫雨(プロフ) - :さん» こちらこそとても嬉しいコメントありがとうございます(*^^*)そんな風に言って貰えて本当に幸せです(´；ω；`)ありがとうございました！ (2018年7月15日 18時) (
レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ゆかりさん» さいごまで読んでくださりありがとうございました(*´∀｀)キュンキュンしてもらえて良かったです！ (2018年7月15日 18時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 麻里さん» 最後まで読んでくださりありがとうございました(*´∀｀) (2018年7月15日 17時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
: - お疲れ様でした！もう本当に毎回楽しみで完結となると少し寂しいです(´・ω・｀)素晴らしい作品を読ませていただきありがとうございました。 (2018年7月15日 15時) (レス) id: 2561c8f55b (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結おめでとうございますー！最後の最後までキュン止まらなかったー！ (2018年7月15日 7時) (レス) id: de2b78e93f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年7月6日 14時
