妹といっしょ,2 ページ8
*I-side
というわけで俺とAは
近所のパンケーキ屋にやって来た。
パンケーキ屋だけど店長のオススメは
ラー油餃子という未だになんの店か分かってはいない。
Aは俺のあとに入ると、
嬉しそうに店内を見渡した。
「引っ越してきたばっかの時に食べに来た以来かな」
伊藤「おぉ、そうだな」
「でもどうして急に? 早川さんは??」
伊藤「Aとの時間が最近無いからさ。
たまには兄妹水入らずにって」
「あははなにそれ」
おかしそうにクスクス笑って、
「迷うなぁー」とメニューを開く。
昔から変わらない、ウキウキしてるA。
優柔不断で、決めるのにはいつも時間が──
「私、うさちゃんパンケーキにする」
伊藤「……ん?」
「えっ?」
伊藤「もっと悩んでいいよ??」
「いや別に……パンケーキ食べたいもん」
……まぁそういう日もあるよな。うん。
そういえばAは食べたいものが
決まってた日はいつも即決だったな。
あぁあと、Aは決まってどんな店でも
アップルティーを頼んでたっけ。
ほんとはアップルジュースが良いくせに
大人ぶって「これにする!」と言うのだ。
「飲み物も頼んでいい?」
伊藤「もちろん」
「じゃぁアイスコーヒーで♪」
……。
伊藤「……」
「お兄ちゃんはどうするの?」
伊藤「……ほんとにAなの?」
「は?」
俺は勢いよく席から立ってAの
横まで行き、両肩を掴み揺する。
ぐらぐらとAはされるがままになっていた。
伊藤「俺の知ってるAは!
メニュー決めるのに20分はかかるし!!
飲み物はアップルティーって決まってるだろッ?!」
「お兄ちゃんなんで泣きそうになってるの」
伊藤「何がAを変えちまったんだ……!!」
鼻水をすする音が響く。
目の前のAはマジマジと俺を見つめて、
「……いつの話?」と聞いてきた。
伊藤「……小1」
「何年前の話してんの」
伊藤「だってだって、全然俺とご飯
行かなくなったじゃん!!」
「そりゃお兄ちゃん部活始めたりするし
友達付き合いもあるんだから当たり前でしょ?!」
伊藤「やだやだ俺のAはアイスコーヒーなんか
頼まないもん〜〜〜ッッ」
しかし、俺の想いは儚く
数分後にテーブルに置かれたのは
ウサギのパンケーキと、
真っ黒の飲料水だった。
.
重度のシスコン伊藤真司。
この兄にしてこの妹あり。
……逆かもしれないけど。
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nasiremon - あぁ…！本気で兄になってほしい… 頼む…神様！転生でも何でもいいから私を伊藤さんの妹にしてぇぇぇ！！！ あわよくば三橋さんの友達にも…… (2020年5月14日 0時) (
レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - ツボったwwwwwwwおもろいです (2020年4月27日 21時) (レス) id: 99cceeea9b (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの飴(プロフ) - ありがとうこざいます♪すぐに探しにいきます！ (2019年1月1日 10時) (レス) id: a83557efdf (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ゆずの飴さん» ありがとうございます(*´-`)ありがたきお言葉です！アカウント名は《 神室時雨(≡・x・≡) 》です！街灯がトプ画ですね！ (2018年12月31日 21時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの飴(プロフ) - 絵がお上手で羨ましい… あと、twitterのアカウント名を教えていただけますか？ (2018年12月31日 20時) (レス) id: a83557efdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年11月5日 18時
