可愛い子には牛丼を食わせよ,1 ページ48
※本編『きゅうじゅうさん!!』の小話です。
「これ、なんですか?」
ユタカ「は? お前、吉野屋しらねーの?」
ワカメ頭のゴローさんにゲロって立てなくなった私は
この人たちに見知らぬアパートに連れてかれ。
「お腹すいた」と紅野さんの一言により、
ユタカさんが買ってきてくれたのは肌色の器。
配りながら「世間知らずだねぇ」と
ゴローさんが驚いてる。
「CMは見たことありますよ。コスプレイヤーの父親と変顔する店員さんに告るサラリーマンと防寒家族の父親と佐藤二郎のやつですよね」
岩田「全部佐藤二郎だけどな」
「ただ食べる機会無くて。こんな発泡スチロールの器に入れられるんですね……」
紅野「その器はお持ち帰り用だけどねぇ」
食べてみ、と紅野さんに割り箸を渡される。
お礼を言って受け取り、蓋を開けてみると……
「ほわぁ……!」
紅野「Aちゃん牛丼にそんな反応しちゃうの〜?」
「ほかほかのままなんですね! 保温技術がすばらしいです……!!」
岩田「なにこの子、貧しい家なの?」
ゴロ「こういうタイプの子はね、家庭料理が当たり前に出てくる家なんだよ」
「だいたいおに……家の人と交代で作ってます」
ユタカ「すげぇな」
なぜか和気あいあいとした空気。
東京人は優しいチンピラが多いのかもしれない。
……いや、岩田さんに後頭部角材でぶっとばされたのを私は忘れない。
さっそく箸を割り、いただくことにする。
「……あの、そんな見られたら食べづらいです」
紅野「なんで?気にしなくていーよ」
「……いただきます」
隣に座る紅野さんにガン見されながら、
お肉と一緒にご飯を頂く。
「あつっ」
ユタカ「だ、大丈夫か」
「……ふぉ、ほわっ、うまぁ!!」
紅野「あっはっはっ」
「美味しいです!」
牛丼なんて家でもあまり作らないけど、
タレとお肉とご飯がとてもマッチしている。
柔らかさと良い大きさと良い、
口のなかが丁度いっぱいになる量だ。
「んまぁ……」
ゴロ「Aちゃん吉野屋のCM出れるよ」
「佐藤二郎さんとそっくりさんが私の知り合いにいるのでなんか嫌です」
ユタカ「たぶんそれ佐藤じ」
紅野「AちゃんAちゃん」
「はい」
紅野「俺も食べたいな♡」
「……ご自分の目の前にありますよね」
瞬間、紅野さん以外が「ブフッ」と
吹き出してゲラゲラ笑いだした。
目の前の人のダークスマイル怖い。
なにゆえ。
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nasiremon - あぁ…!本気で兄になってほしい… 頼む…神様!転生でも何でもいいから私を伊藤さんの妹にしてぇぇぇ!!! あわよくば三橋さんの友達にも…… (2020年5月14日 0時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - ツボったwwwwwwwおもろいです (2020年4月27日 21時) (レス) id: 99cceeea9b (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの飴(プロフ) - ありがとうこざいます♪すぐに探しにいきます! (2019年1月1日 10時) (レス) id: a83557efdf (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ゆずの飴さん» ありがとうございます(*´-`)ありがたきお言葉です!アカウント名は《 神室時雨(≡・x・≡) 》です!街灯がトプ画ですね! (2018年12月31日 21時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの飴(プロフ) - 絵がお上手で羨ましい… あと、twitterのアカウント名を教えていただけますか? (2018年12月31日 20時) (レス) id: a83557efdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年11月5日 18時