strawberry candle 4 ページ5
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「はぁ……」
しつこく聞いてくる貴志をなんとか撒いて、
私はバイト先の喫茶店になんとか到着。
かなり回り道もしたし、貴志には見つかってないと
思うけど結構疲れた。
バイトの日は毎日こうして通わないといけないのかなぁ。
松岡「あれ、Aちゃん。どしたの?疲れてる?」
「まぁ……あはは」
バイト先の先輩である
「おつかれ」と微笑んでくれた。
先月、彼女さんと四年目を迎えたばかりの
恋愛マスター。
よく、松岡さん目当てのお客さんの
恋バナを聞いてるのを見ていたのでそう呼んでいる。
「実は……初恋の人が転入してきて」
松岡「なにそれ。少女漫画?」
「現実ですよ。もうほんとやだ……」
松岡「どうして? 嬉しくないの?」
「嬉しいですよ? 嬉しいですけど……」
と、その時、扉が開いてカランコロンと音がした。
振り返れば、青いブレザーの常連さん。
「今井くん!」
今井「こんにちは、Aさん」
「レスカだよね?」
紅高の今井くんは私がバイトを
始めた時くらいからの常連さん。
初めてオーダーをとった人でもあって、
こうしてよく遊びに来てくれる。
いつもレモンスカッシュ。
今井「いやぁ……Aさんのいる
この喫茶店でレスカを飲むと……、
嫌なこと全部忘れられるんですよ……」
「ふふ、ありがとう。何かあったの?」
今井「えぇ、まぁ実はですね。
金髪頭のクソ卑怯な奴とさっき出会してしまいまして……」
「……金髪頭?」
今井「一発殴ろうと思ったのですが、
理子さんという美しい方もいたものですから。
あ、Aさんも美しいですよ」
「……理子さん」
じとり、とお腹の奥が重くなる。
あの二人が一緒に帰ってるところを
想像したら、妙なプレッシャーに
押し潰されそうだ。
……まだ気持ちを捨てきれてないなぁ、私。
今井「まぁ俺も? 大人なので?
俺から折れてやりましたよワハハハ!!」
「そ、そっか。あ、はいレスカ」
今井「ありがとうございます……。
やはりAさんの作ったレスカは、
格別だ……」
「店長だけどね。召し上がれ」
その時、またまたカランコロンという音が鳴る。
「いらっしゃいませ」と顔をあげた瞬間、
体の全部が機能停止になった。
松岡さんに、「少女漫画かよ」と
突っ込まれてもおかしくない展開だった。
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Runa - めっちゃこのお話大好きです！応援してます！！！ (2021年6月9日 1時) (
レス) id: cf36c57a0e (このIDを非表示/違反報告)
りゅうの - めちゃめちゃ面白かったです!! (2020年3月22日 17時) (レス) id: c1d7a041f7 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 素敵です。 (2019年1月29日 20時) (レス) id: ed675bb7df (このIDを非表示/違反報告)
月崎伊吹(プロフ) - ずっと気になってた作品で、今日やっと読むことが出来ました。とても面白かったです!なんと言うか……深い作品でした。これからも頑張って下さい。(ちなみに私の学校、クリスマスが終業式の日でした) (2019年1月7日 14時) (レス) id: 275071a833 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ぺっぱーさん» コメントありがとうございます(*´ｪ`*)本当ですか！笑笑とても嬉しいです(≧∇≦) (2019年1月7日 12時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年11月16日 19時
