strawberry candle 30 ページ31
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初めに来たのは、通っていた小学校。
夜のせいでかなり不気味。
「うん。なんとなく覚えてる」
三橋「へぇ」
「三橋くんと私は同じクラスになったことあるの?」
三橋「1と2と3と4と5と6」
「六年間一緒なの?!」
三橋「そ」
この小学校には一度、
肝試しで夜に入ったことがあるらしい。
さすがに今は入れないけど。
私も“タカシ”もビビりだったから
全部の教室は見れなくて、
トイレの前で震えてるのを先生に見つかったみたいだ。
三橋くんもちょっと懐かしい気持ちになってるのか、
無言で灰色の校舎を眺めてる。
試しに「入る?」と聞いたら「嫌じゃ」と即答。
なんだかおかしくて笑ってしまった。
そこから少し歩いたところに、公園があった。
写真にあった砂場もここのものみたい。
「ここでスパイごっこやってたんだって」
三橋「へえ」
「それで中学生に絡まれたんだけど、
タカシくんが守ってくれたんだよ」
三橋「ソレに書いてあったのか?」
「うん。かっこよかったってめちゃくちゃ書いてある」
三橋「……へー」
「三橋くんはここで遊んだことあるの?」
三橋「毎日遊んでた」
「じゃぁ一緒に遊んだりしたのかな」
三橋「……そーだよ」
公園から出ると、猛スピードでバイクが走ってきた。
三橋くんが手で私が前に出ないよう
ストップさせてくれる。
三橋「っぶねーな」
「……」
三橋「あ?なに見てンだよ」
「……なんか、変な感じがして」
今の感覚が初めてじゃない気がした。
でもそんなこと言ったら気味悪がられそうだから
言わないけど。
.
二人きりで歩く、夜の街。
明日クリスマスなんだっけ、と
家の飾りを見て思い出させられる。
「六年生の時にね、私、タカシくんに
告白しようとしたみたいなの」
三橋「……!」
「でもフラれた」
三橋「は?」
「結構ショックだったらしくてさぁ……。
詳しく書いてないんだよねぇ」
喋りながら、住宅街から外れたところにある歩道橋に到着。
夜が深まってきたようでかなり寒い。
もこもこの上着を着た三橋くんは暖かそう。
「……初恋って忘れられるのかな」
三橋「……どうだかね」
「だって、六年間も好きだったんだよ。
きっと忘れたくなかったと思う」
一段、一段。
ゆっくり登ってく。
夜空の星が近く感じた。
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Runa - めっちゃこのお話大好きです！応援してます！！！ (2021年6月9日 1時) (
レス) id: cf36c57a0e (このIDを非表示/違反報告)
りゅうの - めちゃめちゃ面白かったです!! (2020年3月22日 17時) (レス) id: c1d7a041f7 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 素敵です。 (2019年1月29日 20時) (レス) id: ed675bb7df (このIDを非表示/違反報告)
月崎伊吹(プロフ) - ずっと気になってた作品で、今日やっと読むことが出来ました。とても面白かったです!なんと言うか……深い作品でした。これからも頑張って下さい。(ちなみに私の学校、クリスマスが終業式の日でした) (2019年1月7日 14時) (レス) id: 275071a833 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ぺっぱーさん» コメントありがとうございます(*´ｪ`*)本当ですか！笑笑とても嬉しいです(≧∇≦) (2019年1月7日 12時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年11月16日 19時
