strawberry candle 20 ページ21
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三橋「A」
他のテーブルのお客様の注文を受けて、
厨房に入ろうとした私を、
三橋くんの声が呼び止めた。
佐川くんと今井くんはいつの間にか帰ったみたい。
「なあに?」
オーダーかな、と思いつつ
伝票を用意したけどどうやら違ったみたいで。
三橋くんは空っぽになったコップの氷を
少し揺らしながらまた不機嫌そうに聞いてくる。
三橋「お前、今日何時終わりだよ」
「9時くらい……だけど。どうして?」
三橋「り、理子に途中まで帰ってやれって言われたんだよ」
どうして三橋くんは私と話すとき
どこかぶっきらぼうになるんだろう。
「そんなの大丈夫だよ。お家は覚えてるし」
三橋「そうじゃねぇ。……お前一人で帰らすと、
色々厄介なんだよ」
「どういうこと?」
三橋「お前は知らんでいい。
さっさと上がれ馬鹿」
言われて時計を見てみると、なんと9時前。
あっという間だなぁ……と思いつつ
私は更衣室で帰る支度を整えてく。
松岡「あ、Aちゃん。
ゴミ出しお願いしてもいい?」
更衣室から出たところで松岡さんに
頼まれたので、
私は三橋くんのところに行く前に
裏のゴミ置き場に向かった。
外に出てみると、喫茶店の那賀と
かなり寒暖差がある。
次からはマフラーも用意した方が良さそうだ。
?「あーいたいた!」
?「待ってたよォ」
夜遅くだというのにそれも無視したような大きな声。
顔をあげるとずいぶん不良っぽい格好の
男の人が三人、
ニヤニヤした顔で近づいてくる。
……知り合い、かな。
「ごめんなさい、お名前覚えてなくて……」
田中「あー俺は田中だよ。鴨田と佐熊ね」
……田中さん、鴨田さん、佐熊さん。
…………なんかピンとも来ないなぁ。
佐熊「ずっと会いたかったのにさァ、
全然喫茶店来ないから待ちくたびれてたよ〜?」
「そうですか……ごめんなさい」
鴨田「今日はあの卑怯野郎はいないんだね。
よしよし、都合がいいや」
「……すいません、貴方たちは私のどんな関係の人ですか?」
素直に聞くと、「はぁ?」と聞き返されてしまう。
なんだかクラスの皆たちと反応が違うから困るな……。
「実は、交通事故に遭っちゃって。
記憶がこんがらがってるんです。
だから、どんな関係か教えていただけると……」
すると今度は、ニタァと不敵な笑みに変わる。
……この人たちの考えてることがわからない。
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Runa - めっちゃこのお話大好きです！応援してます！！！ (2021年6月9日 1時) (
レス) id: cf36c57a0e (このIDを非表示/違反報告)
りゅうの - めちゃめちゃ面白かったです!! (2020年3月22日 17時) (レス) id: c1d7a041f7 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 素敵です。 (2019年1月29日 20時) (レス) id: ed675bb7df (このIDを非表示/違反報告)
月崎伊吹(プロフ) - ずっと気になってた作品で、今日やっと読むことが出来ました。とても面白かったです!なんと言うか……深い作品でした。これからも頑張って下さい。(ちなみに私の学校、クリスマスが終業式の日でした) (2019年1月7日 14時) (レス) id: 275071a833 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ぺっぱーさん» コメントありがとうございます(*´ｪ`*)本当ですか！笑笑とても嬉しいです(≧∇≦) (2019年1月7日 12時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年11月16日 19時
