strawberry candle 10 ページ11
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「え…………?」
お昼過ぎの中庭。
校舎からはいろんな人たちが
楽しそうにはしゃぐ声が聞こえてくる。
そんな校舎の影に隠れるように立つ
男の子は、恥ずかしそうに顔を俯かせた。
男子「だから、Aさんのことが好きだ。
良ければ付き合ってほしい……」
今日は何も特別な日ではない。
普通な日。
強いてなにかあるとすれば一週間後に
クリスマスを控えてるくらいだ。
……中学の時にも似たようなことがあった。
会えない貴志を考えて苦しくなるのが嫌で、
告白してくれた人のことのことなんか
考えもせずにOKしてしまい。
……別れるときには結局傷つけてしまう。
だから半端なことはしないって決めた。
「……ごめんなさい。付き合えないです」
男子「……他に、好きな奴がいるの?」
「……、…っ」
男子「ご、ごめん。俺が聞いて良いようなことじゃなかったね」
「ううん…ごめん」
男子「……じゃ、じゃぁ俺は戻るよ。
来てくれてありがとう」
「……こちらこそ。その、気持ちは嬉しかったよ」
男の子がいなくなったあとも、
私はぼんやりとそこに立ち尽くしていた。
好意を向けてもらうのは嬉しいこと。
中学の時もすごく嬉しかったし、
初めて彼氏ができたときは
「やっと忘れられる」
なんて考えたりもした。
でも、どんなにその人との思い出が増えても
貴志との思い出の鮮やかさに勝ることはなくて。
むしろ他の色がよりいっそう映えさせてしまう。
「……寒くなってきたなぁ」
今年の冬はどうしようかな。
クリスマスはバイトだし、
大晦日はお店休みだから……家でまったりしよう。
そのあとは、またバイトして……
三橋「なにやってんだお前」
「……三橋くん」
三橋「寒くねーの」
短ランの彼は寒そうに鼻水を啜りながら
こちらに歩いてくる。
その後ろには安定の伊藤くんもいた。
三橋「……さっき男が走っていったけど、なんかあったのかよ」
「え? ……いや、別に」
隠し事が白い息に変わる。
靄のように薄くなって、空へ消えていった。
貴志は私の嘘に気づいたのか分からないけど、
不満そうに眉を寄せて唇を尖らせる。
三橋「あーそーかよ。じゃぁなんでこんなとこに一人でいるんだよ」
「……なんか怒ってる?」
三橋「怒ってねーわ!!」
伊藤「キレてるだろ」
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Runa - めっちゃこのお話大好きです！応援してます！！！ (2021年6月9日 1時) (
レス) id: cf36c57a0e (このIDを非表示/違反報告)
りゅうの - めちゃめちゃ面白かったです!! (2020年3月22日 17時) (レス) id: c1d7a041f7 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 素敵です。 (2019年1月29日 20時) (レス) id: ed675bb7df (このIDを非表示/違反報告)
月崎伊吹(プロフ) - ずっと気になってた作品で、今日やっと読むことが出来ました。とても面白かったです!なんと言うか……深い作品でした。これからも頑張って下さい。(ちなみに私の学校、クリスマスが終業式の日でした) (2019年1月7日 14時) (レス) id: 275071a833 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ぺっぱーさん» コメントありがとうございます(*´ｪ`*)本当ですか！笑笑とても嬉しいです(≧∇≦) (2019年1月7日 12時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年11月16日 19時
