strawberry candle 1 ページ2
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三橋「Aー、弁当無ぇ」
「わ、私に言わないでよっ!」
昼休み。
貴志は今日も不機嫌そうな顔で隣にやって来た。
転校してから毎日これ。
伊藤「三橋、毎日毎日なに迷惑かけてんだよ」
三橋「うるせーウニ! 黙っとれ!!」
「あげないからね、絶対」
そう強く言えば、眉を寄せて睨んでくる。
怖くないし。全然。
私は負けじと睨み返した。
伊藤「つーか、なんでそんな雪城さんにからんでんのよ」
三橋「あ?」
伊藤「やけにつっかかってるじゃん」
伊藤くんの疑問は最もだ。
なにも知らない人から見たら、
貴志が一方的に私に絡んでるだけのように
見えると思う。
でも……悪いのは、たぶん私だ。
貴志は机をバンッと叩いて、
私を指差し叫んだ。
三橋「だってコイツ、
幼馴染の俺様のことを忘れてるんだぞ?!」
「……」
伊藤「幼馴染?」
そう、あれは遡って数週間前──
つまり貴志と伊藤くんが転校してきた日のこと。
挨拶を終え、伊藤くんと喧嘩しながら
私の斜め後ろの席に歩いてきた貴志は、
目があった瞬間、顔を輝かせた。
……眩しかったのは金髪のせいかもしれない。
三橋「うぉーっA!!
Aじゃねーかよオイ!!」
「っ」
三橋「元気してたかよーなぁなぁー!!」
貴志はほんとに可愛いくらい無邪気に話しかけてくれた。
でもその時の私は「初恋を忘れたい」の一心で。
咄嗟に、ぽろっと。
「ど……どちら様ですか……」
三橋「……………………は??」
私はそんなことを言ってしまい。
後戻りなんか出来るわけもなく、
私はずっと「知らない」を突き通して。
そして、今日に至る。
三橋「六年間だぞ?! 六年間一緒にいた幼馴染を忘れるか普通ッ!!」
「み、三橋くん落ち着いて……」
三橋「きもっ! お前に“三橋くん”って
呼ばれるのすげー鳥肌立つんですけど!!」
伊藤「お前が一方的に覚えてても、雪城さんが可哀想だろ。もういいじゃん、同じクラスになれたんだし仲良くすれば」
三橋「嫌じゃ! 俺は絶対、思い出させてやる!!」
伊藤「……」
三橋「そん時は、土下座して謝らせるからなｯｯ!!」
「……」
……ますます「嘘ついた」とは言えなくなってきた。
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Runa - めっちゃこのお話大好きです！応援してます！！！ (2021年6月9日 1時) (
レス) id: cf36c57a0e (このIDを非表示/違反報告)
りゅうの - めちゃめちゃ面白かったです!! (2020年3月22日 17時) (レス) id: c1d7a041f7 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 素敵です。 (2019年1月29日 20時) (レス) id: ed675bb7df (このIDを非表示/違反報告)
月崎伊吹(プロフ) - ずっと気になってた作品で、今日やっと読むことが出来ました。とても面白かったです!なんと言うか……深い作品でした。これからも頑張って下さい。(ちなみに私の学校、クリスマスが終業式の日でした) (2019年1月7日 14時) (レス) id: 275071a833 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ぺっぱーさん» コメントありがとうございます(*´ｪ`*)本当ですか！笑笑とても嬉しいです(≧∇≦) (2019年1月7日 12時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年11月16日 19時
