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「「…………」」
………身動きが取れない。
今の状態は、床に仰向けに倒れた俺の上にふっかさんがいて、顔と顔が今にも触れてしまう距離にある。
俺が体を動かそうとすれば、ふっかさんが体勢が崩れてしまうから、ふっかさんにどいてもらわないと何も出来ない。
「……ふっかさ、」
「好きだ」
「え、?」
「康二のことが……好き」
………ん?え、あ、あの…。
この状況で頭が混乱した?
じゃなきゃそんなこと言わんでしょ。
そうだったとしても、
ふっかさんの顔はあまりにも真剣過ぎて…。
「康二は……俺じゃないんだよな、好きな人(苦笑)…分かってた。……ソイツに告白したら?」
「えっ?あっ、はぁ、、ラウに?
そんなん出来ん、」
「案外両想いだったりするんだよ。そーいうのって。だから…言うだけ言ってやれ」
………ふっかさんの言葉に、俺の心は押された。
すっと俺の上から離れたふっかさんに、心の中で「ありがとう」と伝え、部屋を出た。
1階に降りてラウの姿を探すと、
ラウだけいなかった。
照君に聞くと、どうやら公園に行くと言って家を出たらしい。その後を追って家まで飛び出す。
数メートル行った先にある近くの公園。
そこに…ラウールはいた。ブランコを漕いで。
「……ラウっ!」
「………兄ちゃん…家に居なくて良いの?」
「…うん。ラウに…伝えたいことあったから」
「?……何?」
やっぱり…いざこうやって向き直って告白するとなると……言葉がつかえる。
「僕も言うことある。
僕、お兄ちゃんのこと好き」
「っ、それは…恋愛?それとも…兄弟として?」
「恋愛として、お兄ちゃんが好き。
いや…康二くんが、好きです」
ブランコから降りて、
俺の方へと向かってくるラウ。
そして…俺を優しく抱き締める。
いつものように突然に抱きしめてきたけど、
優しさはいつもより何倍もの高さで。
俺は……この男の子を信じてええのか。
そんなの………俺だって好きだから、
ええに決まってるよね。
「俺も、好き。ラウールの、こと」
「!…ほんと!?やった!」
「んっ、」
犬みたいにはしゃぐラウ。
体を離したと思った瞬間、
不意打ちにキスされる。
普段の光景が、愛しい光景になった瞬間。
ラウこじEND
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らんか(プロフ) - とっても素敵なお話でした!こじ受大好きなんで、これからもたのしみにしています(^^) (2020年6月23日 21時) (レス) id: 5ad4a06cb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:叶 実 . | 作者ホームページ:https://twitter.com/hokuto_koji621?s=09
作成日時:2020年6月2日 20時