situation (ページ24)

今日:10 hit、昨日:30 hit、合計:195,976 hit

▼ ページ24

:

戸が開く音がして振り向くと肩にタオルを巻いて髪は濡れたまま出てきた康二。

俺も入ろっかなぁー。

「ベッド入ってても良いからね。
俺入ってくる」

「………おん」

相変わらず元気のない
彼に声を掛け、風呂に入る。

「……もう1回聞いてみるか」

様子が変わったのは……あのアニメを見てから、いや…もしかしたら最初から変だったのかも。

んー……でもなんで変になったんだろ…。

その原因は、考えても考えても分からない。

悶々としながら風呂から出て、
リビングに行く。

案の定康二は寝室にいるらしい。

「……康二ー？起きてる？」

「………」

……もう寝ちゃったか。

あーあ、折角ならもっと話したかった。
ベッドでくっついて、イチャイチャしたかった。

渋々ながら俺もベッドに入り目を瞑ると、
隣から啜り泣く音がした。

……まさか、泣いてる？

思わず布団を引き剥がし顔を見れば、
確かに康二は泣いていた。

「……どうしたの。なんで泣いてんの？？
俺…もしかして何かしちゃった？」

首をブンブンと横に振る康二。

「ちがっ、、違うねん…！俺が…勝手に、思ってただけや……。大丈夫、やから……」

「放っておける訳ないでしょ？嫌なことがあったなら俺に言ってよ。

これでも〝彼氏〟じゃん」

「…………手、出さへんかった」

「……ん？」

「さっくん…。今日いっ、回も、俺に、手ぇ出さへんかったやん？…ほんまは、イチャイチャ…したかったん。……せやのに…一度も、何もせんかったから……俺の思い違いやったんかなって、」

………え？そんなこと？

確かに……俺今日いつもよりハグも手も繋がなかったけど…。

それは毎回家に行くと(・・・・・・・)そうしちゃうから今日ぐらいは……ってことだったんだけど…。

でも康二にとって今日は
イチャイチャしたかったんだね。

俺は康二を抱き締める。

「なぁーんだ。そっか、ごめんね？俺、いつも康二とイチャイチャしたいって思ってるよ。じゃあさ……今からでも、それ間に合う？」

「え？」

都合良くベッドの上。

それを利用して康二を押し倒した。

「さっきまでイチャイチャ出来なかった分、
今から(・・・)存分に可愛がってあげる」

そして俺の影は康二と重なっていく。

これからも、
家に行ったらこうなっちゃうかもね。

さくこじEND

.