Lovers Again 【めめこじ】 【3/10完結】

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「……え？」


「いつもより全っ然元気無かったからさ、もしかして具合悪かったのかなって」





ショックやった。上手くやり過ごせたと思ってたのに。周りから見たら何も先に進めてないんや。




「……最近、プライベートが上手くいってなくて……。ダメですよね、私情は仕事に持ち込んじゃいけないのに……」


「そっか……。向井君にとってそれだけ大きいことがあったんだね。まあ、、しょうがない！多分俺以外気付いてないから(笑)」


「…んんー、ほんますみません！！」


「謝ることないよ(笑)。あっ、ゴイゴイスーは声出てたよ(笑)」





「じゃあ、そういうことだから」と言って去っていく。俺はその背中に、何も言わずただ頭を深く下げた。



溢れ出てきそうな涙を抑える為に。

誰にも顔を見られへんように。


……あの人の優しさに尊敬の念を含めて。






「お疲れ様ですっ！向井さ、」


「あっ、気ぃ遣わないで大丈夫ですよ。ちょっと目にゴミが入っただけなんで…」


「……先行ってますね」




俺がいなくて、必死に探してたのであろうマネージャーさん。途切れ途切れに息を吸う音が聞こえた。




すぐに向かいたかった。向かって笑い飛ばしたかった。でもそれが出来ひん。




……今顔を上げればきっと、また涙が溢れてきそうやから。





阿部ちゃんに助けを求めたかった。

相談にのって欲しかった。




それでも頭に浮かんでくる顔は、俺の大好きやっためめの笑顔だけ。








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その場から離れられたのは、何十分も経ってからやった。



俺は急いで楽屋に置いてあった荷物を取り、マネージャーさんの待つ車へ向かう。




「すみませんお待たせしました！」


「いえ、大丈夫です。急ぎの用はないので」


「お願いします」

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