Lovers Again 【めめこじ】 【3/10完結】

22:□ ページ22

.




ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ



心臓の鼓動が速まる。
そのせいで、俺の足は止まる。



「…大丈夫？」


「……うっ、ちょっと…足がさ、」



そんなのを車から降りて数回。その度に阿部ちゃんは俺の手をぎゅっと強く、優しく握る。



……そろそろしっかり歩かんと。時間的にも阿部ちゃんの為にも動かさんと、！






そんな思いをさせながらとうとう楽屋の前に。



「もう皆来てるかな」


「……俺、や、ヤバい…」


「大丈夫。絶対大丈夫。めめ以外にもメンバーいるの忘れちゃダーメ」


「…はい」


「じゃあ、、開けるよ」



いつの間にか、阿部ちゃんと繋いでいた右手は離され空っぽだった。







ｶﾞﾁｬ



楽屋の扉が開くと、中が賑やかなのが分かる。



『おはよう(ございます)！』


「「おはよう」」



目に入ってくる、皆の笑顔。


安心する反面、めめの顔も見えた。






一瞬にして蘇るめめの笑顔。





「……うっ、はぁっ、はっ、」


「…康二？……康二！」



…息をするのが苦しくて、目の前が急に暗くなった。



多少意識があるなかで、心配している皆に「ごめん、ちょっとトイレ行ってくるわ」と伝え、急いで楽屋を出た。




「うっ、はっ、はっ、」


「康二！！大丈夫！？ごめん、、無理させちゃったね……今日、、やっぱり、」


「いや、出るって決めてん。阿部ちゃんにもここまで連れてきて貰ったんやから、、第一、皆に迷惑かけたくないやろ！はぁ、はぁ、」


「……」


「迷惑かけたくないんや………」


「…分かった。でも、、もしまた過呼吸にでもなったら今度は絶対休ませるから。強制的にでも」


「……ごめん。ほんまにごめん」


「落ち着かせて。それから戻ろう」


「………おん、」




なんなんや、、俺ってなんなんだよ、！

23:□→←21:■

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す