Rain sound 弐【三ツ谷隆】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:9,202 hit

●第43話ページ3

「今日は伊丹が休みだなー。温度差で体調崩しやすいから気をつけろよー」

先生の声に誰も座っていない場所を見つめる。

沙季、大丈夫かな･･･。

「それから灰谷、後で職員室来てくれ」

『ふぇっ！？あ、はい！！』

急に呼ばれたから変な声が出ちゃった！！

先生の呼び出しってことでクラスメイトに好奇の目が向けられる。

ううぅ･･･私、何かしたっけ？？

「じゃ、これ伊丹に届けてくれ」

『はい。かしこまりました』

職員室から出てホッと息を吐く

「これ、バレなかったか？」

壁に寄りかかりながらたかくんが待っていてくれた。

『大丈夫。沙季にプリント届けて欲しいって頼まれただけだよ。だから今日は一緒に帰れないんだ･･･ごめんね』

「そっか、俺も今日は部活遅くなりそうだから伊丹さんのお見舞い行ってあげて、俺からもお大事にって伝えて」

『うん、りょーかい！』

昨日まで元気そうだったけど、急に寒くなったり暑くなったりの温度差があるから･･･

放課後、プリントをカバンに入れて沙季の家に向かう。

一旦家に帰って、ゼリーなど風邪の時にでも食べられるお見舞いの品も持っていく。

母親がいるからそこまで心配しなくても大丈夫だと思うけど

インターホンを押す。

････････････。

あれ･･･？誰もいない？？

もう1回押していなかったらケータイに連絡かなと思いながら再びインターホンに手を伸ばす

押す前にガチャっとドアが開く。
え、誰か確認してもいないのに開けちゃうの！？

「あれ？だれ？」

『え･････････？』

玄関には知らない人が立っていた。

･････････沙季の家は男の人なんていなかったはず

え、もしかして

『沙季の彼氏･･････さん？』

私の言葉に彼は首を傾げながら笑顔で

「そうだけど、君は？」

と答えた。ピアスに着いている鈴がリンっと音を鳴らす。

『沙季の親友です。今日は学校で渡されたプリントを持ってお見舞いに来ました。』

「ふーん」

なんだろう、この人･･･
なんか危険な感じしかしない。

本当に沙季の彼氏なの･･････？？