●第7話 ページ8
すっかり日が暮れてしまった。
あまり遅い時間に出歩くなって言われてるのに。
まぁ、でも家には誰もいないし、何事もなく帰れれば問題ないよね。
なーんて、甘く考えていたのがバカでした。
「ねぇー君？かわいいじゃーん」
「これから俺らと遊ばない？」
見事なフラグ回収。
高校生は暇なんですね･･･。
冷めた目で見てるのに向こうは全く気づかずしつこく誘ってくる。
まぁ、私服だから中学生だと気がついてないのかな。
『いや、帰ります。』
「つれないじゃーん。でも少しでいいから付き合ってよ笑」
絶対少しなわけないじゃん。
行く手は塞がれていて無視して行けない。迷惑な人達だな･･･。
『あの！本当に･･･っ！？』
退けてくださいと言おうと思った
のに、男の1人が宙に浮いた。
「お前ら、邪魔なんだけど？道を塞ぐなよ」
黒い服を着た長身の人が片手で男の人の肩を掴んで持ち上げている。
「ひ、ひぇっ！」
「す、すんませんでしたぁぁぁぁ！！」
男の人のてから逃れて凄い勢いで逃げていく。
長身の彼を見上げてから頭を下げる
『助けていただいてありがとうございます』
「ん？あぁ気にすんな」
彼は対して気にすることなくニカッと笑う
『･･･あっ。カッコイイ･･･』
無意識に出た言葉にハッと口を紡ぐ。
呟きは彼に聞こえたみたいで
「･･･は」
とポカンとしていた。
『あ、いえっ！あ、あのその･･･！すみません！頭の龍がカッコイイなと思ってつい！』
「この刺青か？イイだろ？俺の知り合いが描いたもんなんだ」
何も無かったかのように笑って話してくれる。心が広い方なんだ。
もぅ、変なこと言わないように気をつけよう･･･。反省。
「それより、お前の家は？近いのか」
『え、はい。5分くらいで着きます』
「ふーん。じゃ、送ってやるよ」
『いやいや！？大丈夫ですよ！？』
「はぁ？またさっきみたいな目にあうぞ」
『･･････うぅ。お願いします。』
「今度からは早く帰れよ。」
『･･･はい。ありがとうございます･･･。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sino | 作成日時：2021年7月20日 15時
