Rain sound 【三ツ谷隆】 (ページ39)

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●第38話ページ39

ブォンとバイクのコール音が聞こえたので家の外に出てみれば子猫ちゃんに跨ったたかくんがいた

「お、悪ぃな急に呼び出してさ」

『ううん。たかくんに会えて嬉しい』

ぎゅっと抱きつくと頭をヨシヨシ撫でてくれる

この手大好きだなぁ

たかくんの後ろに跨り腰に手を回したのを確認するとバイクが出発した。

風をきっていて本当に気持ちいい

『どこいくのー？』

「んー？着いてからのお楽しみ」

しばらくバイクで走って着いた場所は

『う、海だぁ！』

日が暮れているから誰もいないけれど視界には青暗く輝く海が広がっている。

『ねぇねぇ！入っていい？？』

砂浜で靴を脱いで入る準備をする

「波打ち際にしろよ。夜の海は危ねぇからよ」

『はぁーい！』

足だけでも気持ちいい！

1人で波と遊んでいる私の所にたかくんが歩いてくる

『たかくんも入ろ！』

「あっ！コラっ！なにすんだ！」

水をかけると子供を叱るお父さんみたいに怒る

「･･････覚悟しろや」

スイッチが入ったたかくんと水を掛け合う。

ちゃんと服が濡れないように足元にかけてくれるから優しいな

しばらく水と戯れた後、目を凝らしてシーグラスなんて探してみたり。

『･･･楽しいなぁ』

「良かった･･･」

砂浜にドカッと座るたかくんの隣に座る

「この前の祭りさ、本当はAのこと誘いたかったんだ」

『えっ･･･そうなの？』

「ドラケンに祭りのこと聞いた時に誘おうって思ってたんだ･･･でも、俺はぺーやんの事を優先しちまったから･･･」

タケミっちくんやドラケンくんは祭りに来ていた。来ようと思えばたかくんも来れたのだろう

『私は･･････林くんを優先してくれて良かったよ。友達も大事だもん。』

友達を大事にしてくれる人の方が彼女の事も大事にしてくれると思うし。

たかくんが林くんの事を心配していてくれたから、林くんはみんなと仲直りできた

「ありがとうな･･･俺は、いつもAに支えられてるよ」

『たかくんの普段の行いがいいからそれが返ってきてるだけだよ』

「不良に行いがいいって言う奴なかなか居ないぞ？」