●第30話 ページ31
「おー。おかえり」
竜くんの声に料理していた手を止めて2人を出迎える。
『良かった･･･！たかくんどこも怪我してない？』
「おーい姫？俺をなんだと思ってるわけ？」
『蘭くんだったらやりかねないもん』
平気だよって大好きな笑顔でたかくんが笑ってくれたから良しとする。
『じゃ！みんなで朝ごはん食べよ！』
「いや、もう昼飯だろ」
お寝坊したせいでもう11時をまわっていた。
「姫の料理久しぶりに食うわ〜」
みんなでテーブルを囲んで座る
「は？なんで三ツ谷が姫の隣なわけ？」
「彼氏特権すよ？」
「･･･いーじゃん兄貴、正面の方が顔見えるぜ」
なんてワイワイ言い合いながら。
『なんか･･････いいなぁ』
みんなでテーブル囲んでご飯食べるのなんていつぶりだろう。
1人で食べることに慣れていたからなぁ。
「A〜食べ･･････えっ！？」
私を見た竜くんが驚いた顔をする。
それを聞いた、たかくんと蘭くんもこちらを見て驚く。
「どうした姫！？泣くほど三ツ谷の隣が嫌か！？」
「んなわけあるか！どうした？」
頬に流れる生暖かい物は涙か。
蘭くんに泣いてるって言われて気がつく。
『みんなで、ご飯食べられるのが嬉しくって･･･！』
たかくんがふわっと優しく包み込んでくれる
「俺ん家狭いけどよ、ルナもマナもいるからさ一緒に･･･飯食おうな」
「おーい三ツ谷なにイチャついてんだコラ」
「俺らも来れる時は来るからよ、な兄貴」
私の周りは温かい人達ばっかりですごく恵まれてるな
『たかくん大好き！』
「俺も大好きだよ」
「･･････お前ら、兄貴が爆発する前に食べるぞ。飯も冷めるしよ」
ベリっという効果音がつきそうな勢いで竜くんに引き剥がされる。
あぁ、蘭くんの顔が恐ろしいこと･･････。
お昼ご飯を食べ終えると3人は帰って行った。
たかくんは蘭くんに
「俺らが帰るんだからお前も帰るんだ」
という謎理論によって半ば引きずられるようにして帰ってしまった。
でも、みんなのおかげで楽しい時間が過ごせたな。一時期はどうなるかと思ったけど･･･
『あっ！たかくんお祭りに誘うの忘れた！！』
もう日めくりカレンダーは31日で明日から8月の始まりを予告していた。
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作者名：sino | 作成日時：2021年7月20日 15時
