〇第25話 ページ26
「･･････なんでこうなったんだっけか？」
俺の隣には、肩に頭を預けて無防備に眠る彼女がいる。
こうなったのは･･････
公園で話をAに聞いてもらえて少しだけ楽になれた。
東卍のメンバーでもないのに、真剣に話を聞いてみんなの心配をしてくれた。
あと、“どんな選択をしても味方だよ”
その言葉が嬉しかった。
そう、そこまでは良かったんだ。
話を聞いてくれてありがとうとお礼を言って解散しようとしたときだった。
『たかくん、家こない？』
と、彼女から爆弾発言が飛び出した。
「えっ」
『家帰ったらたかくん無理しちゃうでしょ？だから今日はおやすみデーにしよ？』
俺がポカンとしているうちに手を引っ張られ連行される。
いやいや、待て待て。
非常にマズイ流れだ。
公園から彼女の家にすぐに着いてしまい、断る間もなく家に押し込まれる。
なんでこういうときだけ強引なんだ？
『たかくんソファに座ってて、今ご飯作るから』
「いや、俺帰るよ」
『だーめ。私がたかくんと一緒にいたいの』
何その殺し文句。
そんなこと言ってるとつけあがるぞ？
「ふーん･･･そんなこと言っていいの？」
しかも、心が弱ってる時に
『たかくんに元気になってほしいから。』
「･･･ありがとな。俺も一緒に料理したい」
『え？そんな！休んでて』
「やーだ。Aの近くにいたいし、2人で共同作業、わるくないだろ？」
『･･･もぅ、わかった。何作る？』
それで2人で料理して、おなかいっぱいになってのんびりとテレビ見てたらこうなった。
いくらなんでも無防備すぎないか？
「A、寝るならベットいきな？俺は帰るからさ」
『んぅ･･･やぁだ･･････たか、くんと･･･いるぅ』
何だこの可愛い生き物は。
寝ぼけてるのか、更に俺にくっついて離れない。
『ずっと･･･あい、た･･････かった。･･･はなれ、たくな･･･ぃ。』
こんな状況だと、置いて帰れないな･･･。
戸締りもできないだろうし。
とりあえず携帯を出してお袋に友達の家に泊まることになったと送る。
「わかった、一緒にいるからベットいこうな？からだいためるから。」
『うん』
ふにゃっと安心したように笑う顔が可愛くて、おでこにチュッとキスをひとつ落として抱き上げる
頑張れ俺。
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作者名：sino | 作成日時：2021年7月20日 15時
