Rain sound 【三ツ谷隆】 (ページ24)

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●第23話ページ24

沙季の家からの帰り道。

夕方なのにまだ暑さが肌にまとわりつく。

とりあえず、今日のミッションは夜の電話でたかくんを祭りに誘うこと。

ピロピロ～

ガっとガッツポーズをして気合いを入れたところに携帯に着信。

しかも、この音は

『もしもし？たかくん？』

《急に悪ぃ･･･》

『全然大丈夫だけど･･･？』

あれ、なんか元気ない？

《A･･････会いてぇ》

『･･････ッ！？』

私の家の近所の公園にたかくんはいた。

ちょっと俯きがちでベンチに座っている。

『たかくん･･･お待たせ』

その隣に座ると、虚ろな目が私をうつした。

何かあったのだろうか？たかくんがこんなに弱ってるなんて

再び声をかけようとしたらぎゅっと抱きしめられる。そして

「パーが捕まった。」

ボソッと衝撃の一言を放った。

『･････････え？』

パーって･･･同じ学校の林田くん？

同じクラスにはなったことはないけど、たかくんと仲良く喋ったりしている所を何度も見ている。

あの、優しそうな林田くんが捕まった･･････？

「俺も事が終わってから聞いたんだけど」

たかくんはポツポツと話してくれた。

林田くんのお友達が愛美愛主にやられたこと。

それをきっかけに愛美愛主と揉めることを東卍が決めたこと。

マイキーくん、ドラケンくん、林田くん、林くん、タケミっちくんの5人に奇襲をかけてきたこと。

林田くんが、捕まってしまった理由。

私は黙って聞くしかできなかった。

『そんなことが･･･』

でも、なんて声をかけてあげるのが正解なんだろう。

部外者の私が何か言える立場でもないし、なんて言っても励ませる言葉になんてならない。

あぁ、すごく非力なんだ。

「そして、東卍は2つに割れつつある」

『え』

「マイキー派とドラケン派に」