●第22話 ページ23
「へー毎晩電話してるの！ラブラブじゃーん」
家族旅行から帰ってきた沙季の家にお邪魔して恋バナ。
『少しでも話せるだけで嬉しいんだ』
「で？デートの約束は？」
『それが･･･してない』
「･･･。はぁっ！？」
いや、そうだよね。毎晩電話してても、デートの約束がないなんて。
「もぅー何やってるの？一緒に出かけたいって言えばいいだけじゃん？」
『そ、そうなんだけど、なかなか勇気が』
「はぁ？告白する勇気はあるけどデートに誘う勇気はないってなにそれ？」
こいつ、大丈夫？みたいな顔でこっちを見ている。
『会いたいんだけど、そのなんて言うか、電話してる時はそれだけで幸せで、誘うのを忘れちゃうというか』
「メールは？文だったら誘えるでしょ」
『それが、知ってるのは電話番号だけでして･･･』
沙季は深ーい深ーいため息を着いた。
いや、言いたいことは分かるよ！？私だってなんで連絡先知らないんだろうとなんど後悔したことか！
「それはもう、頑張れしか言えないわ〜」
『ソウデスヨネ〜』
「あ、じゃあ祭り一緒に行かないか誘ったら？」
『8月3日？』
「そー。まだちょっと先だけど、今から予約しておけば行けるでしょ。しかも、浴衣で更にメロメロにする作戦！」
『浴衣か〜。私着付け出来ないよ？』
「それくらい、ウチのお母さんに頼めばやってくれるよ」
8月3日。たかくんと浴衣でお祭り。
行きたいかも。たかくんも着てきてくれるかな？
『沙季、私頑張って誘ってみる！』
「よっしゃ！その意気だよ！」
『でも浴衣なんて持ってない･･･買いに行った方がいいかな？』
「ウチの貸してあげるよ！お母さんがいっぱい持ってるからさ！今から見てみる？」
『えっ！いいの？』
「もちろん！」
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作者名：sino | 作成日時：2021年7月20日 15時
