Rain sound 【三ツ谷隆】 (ページ3)

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●第2話ページ3

今日も今日とてバケツをひっくり返したかのような大雨の中、登校する。

昨日三ツ谷くんから借りた折りたたみ傘はカバンの中に入れ、強風に強い！と売り文句の傘を差して歩く。

「みてみてー傘ひっくり返った〜！」

「それかっけぇな！俺もやりてぇー！」

こんな雨だというのに小学生は長靴を履いて元気にはしゃいでいる。

その姿を横目で見ていると、ポンと肩が叩かれた

『あ、おは･･･よう！？』

いつもの友達だと思ったらなんと、

「おはよ。そんなに驚くことか？」

三ツ谷くんがいた。

『や、だって思ってた人じゃなかったから･･･。それより、昨日はありがとう。体調は大丈夫？』

私に傘を貸したのだからずぶ濡れで帰ったのだろう

「へーきだよ。言ったろ？雨の中でもバイクとばしてるから大丈夫だって」

にこっと笑うのと同時に頭にポンっと手がのせられる

その瞬間に体全体の熱が顔に集まった気がする。

それに気がついた三ツ谷くんが慌てて手を引っ込める

「わ、わりぃ！！妹にやる癖でつい･･･！」

『ううん･･･だ、大丈夫』

さっと顔をそらすけど、赤い顔は見られてしまっただろう。

だって･･･あんなことされるのはじめてだし、少女漫画の王道胸きゅんだよ！？

これでときめかない女子なんてこの世に存在するの？

『教室で折りたたみ傘返すね』

「･･････おぅ。」

ちょっと気まずくなった空気が漂うが、並んで登校する。

傘があるから距離はあるけれど･･････

学校に着いて欲しくないななんて考えてた。