〇第15話 ページ16
「おーい。三ツ谷ぁー」
八戒とダベっていた所にドラケンが歩いてくる。
「お、ドラケン。遅かったな」
「お前に客」
「客?」
俺が聞き返すのと同時にドラケンの後ろからひょこっと灰谷が出てきた。
「は、灰谷・・・さん!?」
なんでドラケンと一緒にいるんだ・・・?
2人の接点なんて無いはずだろ・・・
『あ、えと・・・こんばんは?』
「なんだそれ」
ドラケンは呆れた様な顔をして、ほれっと言って灰谷の背中を押した。
『わっ・・・!?』
いきなりのことに姿勢を崩した灰谷を慌てて抱きとめる。
あ・・・・・・灰谷のにおいがフワッと鼻腔をくすぐる。
「じゃっ、頑張れよーA」
ドラケンはヒラっと手を振ってマイキーの元へと戻っていく。
え、何この状況
『あ、あの・・・・・・えっと、三ツ谷くん。その・・・もうだ、大丈夫・・・です。』
灰谷の声でハッとする。やべえ・・・抱きとめたままだった
「悪ぃ・・・。咄嗟のことで」
『ううん!こちらこそありがとうございます』
パッと話すとしっかりとこっちを見てお礼を言う灰谷
「・・・ドラケンと知り合いだったんだな」
『この間助けて貰って・・・今日はそのお礼をしていただけなんだ。そしたら三ツ谷くんとも知り合いだって知って、会わせてやるって連れてきてくれたの』
会えたのは俺も嬉しいけど、こんなヤローばっかりの所に連れてこなくてもよかったのでは
八戒なんて、どっか行っちまったし。
「こんな時間まで出歩いていて良いのか?」
『うん、私一人暮らしだし、誰かと一緒なら大丈夫』
これからバイクで走るって言ってたけど灰谷を連れていく訳には行かないよな・・・
「灰谷さん、送るよ。」
『えっ・・・!でも今からみんなで走るんだよね?私、ひとりで帰れるよ?』
「ダメ。こんな時間に女の子ひとりで帰すなんてお袋に怒られる」
好きな子をひとりで帰すわけいかないだろ。
その言葉は飲み込んでありきたりなセリフで返す。
「マイキー!俺、灰谷さん送っていくわ!」
俺が叫ぶとマイキーはにっと笑って
「よっし!三ツ谷以外は走りに行くぞっ!」
その声でみんなバイクに跨る。
「タカちゃん・・・次は一緒な」
「おう、悪いな八戒」
みんなが走っていくのを見送ってから灰谷の方に向き直る
「じゃ、俺らも帰るか」
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作者名:sino | 作成日時:2021年7月20日 15時