人間不信【暗殺教室】 (ページ5)

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3話ページ5

Aside

おっと、いけない。一番に教室を出た割に、皆とあまり変わらない時間になってしまった。

「帰ろ…………」

いくら綺麗な景色を瞳に映したって、私が同じように輝ける訳がない。見るだけ無駄だったという事だ。

コンビニで適当なパンや弁当を買い、家に帰る。

ガチャリと音を鳴らすも、「おかえり」といった暖かい声が廊下に反響することは無い。

………………そんなこと当たり前。何を期待しているんだろう、私は。

「ただいま！」
「お帰りなさい、学校どうだった？」

遠い、遠い昔の記憶。楽しかったあの頃が、今も頭に染み付いて離れない。いつもいつも思い出に、偽物の優しさに縋ってしまう。

今では開けることはないリビングの扉。それを一瞥して、部屋に入った。

視界が霞んでいるのは疲れ目のせいだ、きっと。

零れ落ちる雫も、知らない。