貴方と違って私は【江口拓也】

失恋 ページ3

｢へぇ…そんで失恋したと｣

｢辞めてください。まだ失恋してないです｣

次の日私は江口さんを誘って飲みに来ていた

この思いを誰かに吐露したかったのだ

｢でもなんかスッキリしました。話聞いてくださってありがとうございます｣

まぁ話を聞いてもらうというか仕事終わりにたまたま近くにいた江口さんを連れて居酒屋に来て一方的に話していただけなのだが

江口さんもびっくりしてるだろうな

後輩にいきなり居酒屋連れてこられていきなり恋愛相談されて

｢でも俺もそうなんだよね｣

｢なにがです？｣

｢俺も当て馬なんだよ｣

｢ちょっとまってください。私は当て馬じゃないです。｣

まだ諦めてないし。たろり先輩のこと

｢でも江口さんが落とせない女の子ってどんな人なんですか？｣

正直いって江口さんはかっこいい

身長高いし声かっこいいし後輩思いだし気遣いはできるし面白いし

こんな優良物件なかなかないのに江口さんですら落とせない女の子なんだからきっと凄い人なんだろうな

｢うーん。明るくて面白くてうるさい人｣

うるさい人って言われてるよ。可哀想だよ

｢でも江口なら落とせない女性なんて居ないと思いますけど｣

｢そう簡単には行かないんだよね…鈍感だし好きな人いるし…｣

江口さんの状況、かなり私のと似てるな

｢お互い頑張りましょうね…｣

そう言うとなんだか複雑そうな顔でうんと返答してきた

江口さんも大変なんだな

彼に同情しつつ私はグラスの中にあったお酒を一気に飲み干した

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