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風船の空気が萎んでいくように会話が途切れそうだったので、必死に出した話題は可笑しな事だった。
『きょ、今日はもうご飯食べられたの?』
「あ、うん!ここに来る前に食べて来たよ。Aちゃんが今日も食堂に居るかもしれないって考えたら、早く食べ終わったんだ〜。」
「探すのに苦労したよ。」と笑うチャニくんに感激した。
ポカンとされるかと思っていたから、まさかこんなに笑い話にしてくれるだなんて想像もしていなかったし、この短時間でも彼の優しさと頭の回転の速さが痛い程分かる。
流石医学部なだけあると感動したが、何故そんなに才能があるのだろうと、少しだけ羨んだ。
幸せなんだろうな…。
先輩に揺るがされたとは言えど、高難易度の医学部の受験に対する姿勢は素晴らしいと思う。
だって本当はその学部ではなかったはずなのに、合格し今こうしてこの大学で医学部に居る。
クリアが難しすぎる医学部の問題なんて、中学生でも知っている。
私も、そしてきっと、チャニくんも。
そう考えると、余程頭が良いんだろう。
『そうなんだ…。』
対して私はどうだろうか。
話題を作るのに必死で何も面白いことを言えない。
なんて言ったらみんなは笑ってくれるんだろう…。
頭をひねってみても、答えは見つからず終いだ。
「チャニ、ここに居たんだ…あ、こんにちわ〜。」
「あれ、ジスヒョンなんで?」
チャニくんの後ろから登場したのは、顔の小さいこれまた顔の整った男の人。
黒色の絹糸のような髪が、動く度にサラリと揺れる。
軟骨に1つ、耳朶に2つと、どちらも左耳に穴が開いているのが特徴的だ。
王子様を思わせる笑みに、ドギマギしながらもワンテンポ遅れたが頭を下げた。
「みんな探してるよ、次の講義の課題やってないから教えて欲しいって。」
「ええ?…ジュニヒョンとハンソルですよね?」
「そうそう。鬼教師なんだって〜僕怖くて話したくないよ、あの講師とは。」
控えめな笑い声を零しながら、ジスと呼ばれた男の人は私の左斜め前に腰掛ける。
放置されてる…。次の講義行きたいから帰っても大丈夫かな?
2人の会話を伺うが、どうやら話に花が咲いているようで、相当盛り上がっていたので余計にこの場から逃げたくなった。
いいよね、私部外者だし…。
お弁当箱をリュックに入れて、気を遣わせないようゆっくりと立ち上がった。
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nana - 普通にウォヌがイケメン過ぎてしんどいっすwいやー心臓飛び出ましたね〜ww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 76fbcbb80d (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - セヨ二さん» ありがとうございます! (2018年6月13日 21時) (レス) id: 96b842859d (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - yuna10130903さん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年6月13日 21時) (レス) id: 96b842859d (このIDを非表示/違反報告)
セヨ二 - ヤバい。マジでカッコいいです特にハオがバカカッコいいです語彙力無くてごめんなさい、すごく好きです更新待ってます! (2018年6月13日 5時) (レス) id: e4e79d2837 (このIDを非表示/違反報告)
yuna10130903(プロフ) - こうゆう小説なかなかないので嬉しいです!更新待ってます!応援してますp(*≧ω≦)/ ファイティン♪ (2018年6月12日 21時) (レス) id: 295ad691d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Is x他1人 | 作成日時:2018年6月10日 14時