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「おはよう!」


『おはようございます…。あの、朝辛くないんですか?』


「辛くないよ〜。だからAちゃんは何の心配もしなくて大丈夫」





翌日も、やはりソクミンさんは私を待っていた。



1時限目から講義があるから朝は早い方なのに、そんな素振りはソクミンさんには全く見当たらない。





歩きながら、ふと思い出したお弁当の存在がきちんとあるかどうか、リュックの中身を開いて確認する。




あ、ある。良かった…。



昨日の人、喜んでくれたかな。



全部食べてくれてると良いんだけど…。







「Aちゃん?」


『え?』


「あ、その様子だと聞いてなかったみたいだね」


『ご、ごめんなさい…』


「ハハ、謝らなくて良いよ!探し物してるのに話し掛けてた僕が悪いからさ」







この人はとことん優しい性格だと、二日間、いや、約二日と半日でよく分かった。




話をよく聞いてくれるし、私が悪いのに態々自分を削りフォローする。





いつか悪い人に騙されてしまいそうだ。







…って、ソクミンさんも一応ヤクザなんだった。




優しさのあまり、そういう仕事をしている事実を忘れてしまいそうになった。







「昨日はきちんとご飯食べられたの?」





あどけない表情のソクミンさんが、横から覗き込むようにしながら聞いてくる。




ギクリとしたのがバレてないようにと願いながら、首を縦に振った。







『はい、まあ…』







嘘を吐く相手が良い人だと、なんだか大きな罪を犯している気分…。




勿論視線なんか合わせられなくて、灰色の地面を見ながら歩く。





分かりやすいかな、こんな態度。






…他の人にあげちゃって自分は食べられなかった、だなんて言いづらい。




いや、言えたらいいんだけど…。





勝手にストッパーが掛かる。



意味のないストッパーが。







「本当に?」


『えっ、あ、はい、本当です…けど…』


「…嘘だね」





明らかに動揺している私を見据えると、核心をついたように、爽やかに笑った。





…隠さなくても良かったかも。






これがミンハオさんやウォヌさんだったら、殴り倒されてるんだろうな…。




そもそも嘘と気付くのか。






ソクミンさんで良かった。







「食べられなかったの?」


『な!…なんで分かったんですか…?』






ピンポイントで当てられて、大声を出してしまいそうになった。



ヤクザと両立して読心術もやってるんじゃないかと思う。

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nana - 普通にウォヌがイケメン過ぎてしんどいっすwいやー心臓飛び出ましたね〜ww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 76fbcbb80d (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - セヨ二さん» ありがとうございます! (2018年6月13日 21時) (レス) id: 96b842859d (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - yuna10130903さん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年6月13日 21時) (レス) id: 96b842859d (このIDを非表示/違反報告)
セヨ二 - ヤバい。マジでカッコいいです特にハオがバカカッコいいです語彙力無くてごめんなさい、すごく好きです更新待ってます! (2018年6月13日 5時) (レス) id: e4e79d2837 (このIDを非表示/違反報告)
yuna10130903(プロフ) - こうゆう小説なかなかないので嬉しいです!更新待ってます!応援してますp(*≧ω≦)/ ファイティン♪ (2018年6月12日 21時) (レス) id: 295ad691d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Is x他1人 | 作成日時:2018年6月10日 14時

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