星空は知っている。 (ページ2)

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「小さい女の子が一人で公園で泣いてたんだよ。
心配して接しないやつが何処に居るんだ？」

俺はキッとリリィーの兄を睨みつける。
すると、相手も俺の事を睨みつけた。

「リリィー、性格の悪そうなやつと喋ると友達に嫌われるぞ。」

「若武は性格の悪そうなやつなの？」

男はハァっとため息をつく。

「行くぞ。」

男はリリィーの手を取り、無理やり連れて行こうとした。

「ちょっと待てよ。」

俺は男からリリィーを奪うようにリリィーをこちらに引き寄せ言った。

「リリィーのお兄ちゃんか何かは知らんが、こんな夜中に妹を公園に置き去りにして、遊んでる奴は信用ならん。」

そう言うと、男ははぁ？っと言いたそうな…実際言ったが、不機嫌そうな顔になった。

「遊んでるって？誰がんな馬鹿な事を言ったんだ？？」

「お前の妹。」

次は項垂れるように頭を抱え、リリィーに言った。

「お前さぁ…覚えてろよ。」

はぁぁと大きなため息を着き男は俺に向き直った。

「すまん。妹が勘違いさせるような事を言った。」

いきなり頭を下げられ、俺は困惑してしまった。

ど、どういうことなんだ？

「俺、こう見えても高校卒業してて働いてるんだよ。」

大学行ってないのか！！？
ありえねぇ…大学行かないなんて考えられねぇ。

「あのさ、俺らん家あんま裕福じゃなくてその癖親がクソだからさ。

祖父のところ行ってお小遣い貰ったり、俺のバイト代でなんとかしてる訳。

祖父の所行ってきたから妹はこの公園で待たせてた訳だよ、祖父もいい性格してねえからさ…。」

俺は口を固く結び俯いた。
色んな家庭事情がある奴に俺は無責任にも遊んでいると肯定してしまっていた。

…男が怒るのも納得する。

「まぁ、そのなんだ妹の失言なんだし…。
俺も怒ってすまん。」

「兄ちゃん、お家帰るの？」

そう言って俺の腕の中に居たリリィーは男、兄の傍に駆け寄って行く。

「なぁ、俺は探偵チームのリーダーをしてるんだ。
依頼してみないか？」

男はリリィーを抱っこして、俺に困ったような表情を見せる。

「生憎、依頼する程の金はないんだ。」

…しばしの沈黙。

俺は腹を括る勢いで言った。

「依頼料は要らない。
俺が無駄な時間を取ったお詫びとして、我ら探偵チームkzにその事件を解決させてくれないか？」

リーダーとしてこの決断が正しいのかは不確かである。

が、1人の人間としてこの事態を見過ごす訳にはならん！