真っ赤な星 ページ1
俺、若武和臣は今大変困った状況下に置かれている。
俺の目の前にはベンチの上でギャーギャーと泣き喚く女のガキがいる。
目にはたっぷりと涙を浮かべ、俺を横目に泣き続ける。
「おい、泣き止めよ。俺が泣かしてるみたいじゃんかよ……。」
・
こんな状況になったのは数分前のこと。
秀明帰り、友達と別れ帰り道にこの公園を通ったところ小さい女の子が1人で泣いているのを見かけ声をかけた所から始まった。
心配して声をかけたら更に酷く泣かれ、今に至る。
「たく、ほら泣き止めよ。」
「やっだぁぁ…!」
俺は袖を使い女の子の涙を拭き取るも女の子が泣くことを続けるためイタチごっこだった。
「名前は…?な・ま・え。」
「り…リリィー……お兄ちゃんの名前っは?」
「俺は若武。」
しゃっくりを上げながらも話が出来る状態になったので俺は一旦息を着いた。
「リリィーちゃん…?一人でなにしてるの?」
「り、リリィーはね、お兄ちゃんを待ってるの…。
お兄ちゃんがっ、お兄ちゃんがね…リリィーを迎えに来てくれるの…!!」
そう言ってまた泣き出してしまった。
兄ちゃん?
「リリィーの兄ちゃんは秀明ってとこに行ってるのか?」
リリィーはキョトンとした目でこちらを見る。
その目は赤く晴れており鼻水も垂れていた。
「しゅうめい……?行ってないよ…。兄ちゃんはおじちゃんと遊んでるの。
でもね、リリィーは良い子だからここで待ってるの!」
おじちゃん??
え、この子置き去りにして遊んでんの?やば。
「リリィーはなんで泣いてたんだ?」
「えっと…んっとね…えっと…えっと……。」
グズり始めたので俺は急いで機嫌を取る。
「リリィー、喉乾いた?」
リリィーがコクっと頷いたので俺は急いで自販機でココアを買った。
寒い冬なので温かいココアを買ってやった。
流石俺。気遣いが効く。
「これでいい?」
パァーっと顔が明るくなりリリィーは頷いた。
アーヤに似てんな…。
「リリィー、何してんの?」
背高で金髪の見るからにヤンキーそうな男が話しかけて来た。
こいつが兄ちゃん?
「兄ちゃん!あのね、若武がココアを買ってくれたの!!」
若武って…そうそうに呼び捨てかよ。
ココア買ってやったなのに。
「は?てめぇ人の妹になにやってんの?
お前も知らねぇ奴から物貰うなよ。」
リリィーは立ち上がり自身の兄に近づき『ごめんなさい』っと謝った。
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