第20話 決意3 ページ25
「……え?」
「だから、好きな人が、出来たのっ……! 」
「……」
一拍置いて、
「えー、すごいじゃん! おめでとう〜! 」
満面の笑みで、私は言った。
「もう、なんで教えてくれなかったのよ、水くさいなあ」
「A、声大きい! まだ2人にしか教えてないのに……」
そう言うと、由実は顔を赤くして俯いた。
「だって、しょうがないじゃん……こんなこと初めてだし、ちゃんと気づいたのだって今日だったんだから……」
もう、かわいいな。
そう思いながら、
「それでそれで〜?相手は?」
と聞くと、
「……進也」
と小さく答えが返ってきた。
「……え」
私は瞬きしながら尋ねる。
「進也ってあの進也?」
「うん、その進也」
由実の好きな人って……進也、なの?
さっと笑顔を作って私は言う。
「そっかー、進也かー! いいと思うよ! ちょっとヘラヘラしたところもあるけど、いい奴だし! でもそっか、進也かー」
なんか意外だったなー、とそのまま笑顔を崩さずに一気に言った。
「私は薄々気づいてたけどね」
今まで黙っていた里依紗が口を開いた。
「え」
「まさか、その様子じゃAちゃん全く気づいてなかったの?」
驚いて思わず声を上げると、里依紗がまっすぐこっちを見ながら言った。
「い、いやぁ?気づいてたよ?ただちょっと確信が持てなかったって言うか……」
「嘘だ、目が泳いでる」
ごまかしても、ものの1秒で由実に切り捨てられた。
「あはは、ばれたか」
笑いながら由実の方を向く。
「でも、私は由実のこと応援するよ! これは本当! 」
「……ありがと」
由実も、ふっと笑った。
恋すると女はきれいになるって言うけど、ほんとなんだなぁ……。
まあ、由実の場合は元から美人だけどさ。
そんなことを考えていたら、いきなり里依紗が話し出した。
「それでね。今日は私も、言いたいことがあるんだ」
さっきの由実のように深呼吸をして、里依紗は言った。
「昼休みに、由実ちゃんの話を聞いて私も決めたの。……和樹くんに、告白する」
へえ、そうなんだ、和樹に……って、
「はああああ!?」
私と由実の声が道に響いた。
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みーみ(プロフ) - かたつむりさん» ありがとう? (2015年5月5日 1時) (レス) id: 3798c6d4c4 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり - みーみさん» こっちも評価つけといた! (2015年5月5日 0時) (レス) id: 5586ef4182 (このIDを非表示/違反報告)
みーみ(プロフ) - エネ©Loveさん» ありがと (2015年3月21日 12時) (レス) id: 3798c6d4c4 (このIDを非表示/違反報告)
エネ©Love(プロフ) - みーみさん» 1000hitおめでとう!!!.・☆ (2015年3月20日 21時) (レス) id: 6c41e2807f (このIDを非表示/違反報告)
エネ©Love(プロフ) - 塩さんさん» wwwwwwww (2015年3月19日 21時) (レス) id: 6c41e2807f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーみ | 作成日時:2015年2月14日 22時