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第10話 熱い ページ13

どうもしない、という由実をちょっと変に思ったものの、まあいいや、と流して、2人と別れた。


次の日、朝起きると少し体がだるかった。

一応学校には行ったけど、授業は全く頭に入ってこなくて、受けられたのも1時間目までだった。

1時間目が終わると同時に、由実が心配そうな顔で駆け寄ってきて言った。

「A、大丈夫?具合悪い?」

里依紗もすぐに駆けてきて、

「顔も赤くない?熱あるの?」

と、私の額に手をあてた。

「うーん……なんか、だるくて……ちょっと寒いし……」

私は机に突っ伏したまま、顔だけあげて言う。

「やっぱり、Aちゃん熱いよ。保健室行った方がいいんじゃない?」

だいぶ体がきつくなってきていたので、里依紗の言葉に甘えることにした。

そうしようかな、と言いながら立ち上がる。

ガタン!

その途端、立ちくらみがして、隣の机にぶつけてしまった。

「っつう……」

「神城ー?どうした?大丈夫?」

その音で担任の小森先生がこっちにきた。

小森 鈴先生は、ショートカットがよく似合う、若い女の先生で、私たちの担任だ。

みんなからは、鈴ちゃんとか鈴ちゃん先生って呼ばれて慕われている。

「あー、熱ありそうね。とりあえず保健室行って、様子見て早退しな」

先生は一目見てそういった。

そうします、とうなずく。

「でも、その様子じゃちゃんと行けるか不安ね……よし、水木、ついてってやんな」

先生は名簿を見ながら出し抜けに言った。

「えー、俺っすか?」

斜め後ろの席からちょっと不満そうな声が聞こえた。

「だってあんた、健康委員でしょ?女子の委員は今日休みだし…」

「せ、先生!付き添いなら私が行く!」

由実がそう言ってくれているけど、

「でも、次の理科って瀬戸先生でしょ?あのひ…先生は、あんまり遅れるの許してくれないから…水木は委員だから大丈夫だけど」

困ったような顔をした先生に却下されてしまった。

てか、今鈴ちゃんあの人って言いかけなかった?

「でも、鈴ちゃん…!」

「心配なのは分かるけど、次移動なんだから早めに行った方がいいと思うよ。神城と水木は早く保健室行きな」

神城も辛そうだしね、と先生は続ける。

「鈴ちゃん…私、1人でも…」

「もー、そんな弱々しい声で言われたって全然説得力ないよ せっかくなんだからついてってもらいな」

何がどうせっかくなんだ。

由実と里依紗はまだ心配そうだったけど、諦めたのか教室を出て行った。

第11話 熱い 2→←座席表&学校の設計?



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設定タグ:片想い , 初恋   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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みーみ(プロフ) - かたつむりさん» ありがとう? (2015年5月5日 1時) (レス) id: 3798c6d4c4 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり - みーみさん» こっちも評価つけといた! (2015年5月5日 0時) (レス) id: 5586ef4182 (このIDを非表示/違反報告)
みーみ(プロフ) - エネ©Loveさん» ありがと (2015年3月21日 12時) (レス) id: 3798c6d4c4 (このIDを非表示/違反報告)
エネ©Love(プロフ) - みーみさん» 1000hitおめでとう!!!.・☆ (2015年3月20日 21時) (レス) id: 6c41e2807f (このIDを非表示/違反報告)
エネ©Love(プロフ) - 塩さんさん» wwwwwwww (2015年3月19日 21時) (レス) id: 6c41e2807f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みーみ | 作成日時:2015年2月14日 22時

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