負けなかったよ ページ25
平塚くんが学校を休んでから１週間とちょっと、
颯太や湧とは気まずいままだし、
あの日から何度も繰り返される呼び出しってやつに、だんだん身も心もボロボロになっていくけど、
負けちゃダメだよってあの言葉を思い返せば、泣かずに済んでいたから、まだ大丈夫って。
「あー、なんかお前つまんな」
『っ、』
泣きも喚きもしない私に対するイジメは予想と反してつまらなかったのか、飽きたと零す目の前の顔を睨み付ける
「なんなのその顔むかつくんだけど」
汚い上履きで蹴飛ばされる身体は、抵抗する力もないから思ったより勢いよく飛んで、派手に地面とぶつかる身体がジンジンと痛む。
「はやく消えろよ」
『っ、あ』
「あ、」
たまたま彼女が振り上げた足は、いつものように制服の上を狙ったはずだったのに、
下手に俯こうとしたしたせいで、私のおでこ辺りにパコンってヒットしたそれと、
「う、そ」
『血、』
「ねぇ、さすがにそればやばくない？」
「やばい、かも」
頭が切れたら出血が多いとは聞いたことあるけど、
私の額辺りから流れ出ているであろう血はどんどんその場を赤く染めていくから、
「…ね、いこ」
「お前、チクったら殺すからな」
青ざめた顔で屋上から出ていく彼女たちの背中に、助けてよなんて言えるはずもなく、
ただ手も制服も、真っ赤になっていくのを呆然と見つめてることしか出来なくて、
「っ、大丈夫？」
『だいじょうぶ、』
「すぐ先生、呼んでくるから！」
取り巻きのなかのひとり、いつもそれに参加はせずに気まずそうに俯いていた唯一の女の子が焦ったように声を掛けてきて、そう屋上から走り去る背中をただじっと見つめる。
ふわふわとしてくる視界のなか、ぼんやりと平塚くんに会いたいなんて思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 867人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「少年忍者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まけも(プロフ) - アオさん» そうだったんですね！なにも知らずにごめんなさい。更新頑張ってください！応援してます (2020年12月20日 22時) (
レス) id: 497e0e2192 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - 名無し4992号さん» ありがとうございます！ただいま準備中ですので整い次第公開致します。しばしお待ちくださいませ。 (2020年12月20日 22時) (レス) id: 72f4fb8b9f (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - まけもさん» ありがとうございます！ただいま準備中ですので、公開までしばらくお待ちくださいませ。 (2020年12月20日 22時) (レス) id: 72f4fb8b9f (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - なあさん» ありがとうございます(;_;)引き続き更新がんばります(;_;) (2020年12月20日 22時) (レス) id: 72f4fb8b9f (このIDを非表示/違反報告)
名無し4992号(プロフ) - アオさんの作品とてもだいすきです！！いつも更新をドキドキ待っています！移行してパスワードがかかっているんですがどうしたらいいでしょうか？ (2020年12月20日 22時) (レス) id: 235e220f18 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオ
| 作成日時：2020年12月13日 21時
