最後の、 ページ5
『合宿？！』
「そー。俺ら最後の試合さ、遠征なんだけど、その前にちょっと時間取って強化合宿も兼ねるかってしょっぴー先生が」
『わたしサッカーとかルールも何にも知らないけど、大丈夫？』
「大丈夫っしょ(笑)どうせ雑用メインだよ」
リビングに置いた扇風機の前。
湧ちゃんと半分こして座ったそこで、プリントを眺める
れんれんからのお願いは、その強化合宿のお手伝いってやつで。
マネージャーのミユキちゃんだけじゃ、人手が足りないとかなんとか
『…じゃあ合法的に颯太くんとお泊まりできるんだ』
「いや、下心(笑)」
まあ、ただ、颯太くんもいるけど、必然的にあの子も居るわけで。
ましてや今回は湧ちゃんも一緒。
三人が一緒にいるところ、苦手なんだよな。
だって、ふたりともすぐ悲しそうな顔するから、
そんな顔に勝手に苦しくなって、勝手にしんどくなる
『あー…』
「…やっぱいやだ？」
眉を下げた湧ちゃんが、フローリングに寝転がった私を見下ろして困ったように笑う。
Aが嫌なら、断ってもいいと思うよ。
俺はお前がいてくれたら心強いけどね、なんて
湧ちゃんずるいなぁ。そんな風に言われて、わたしが断れないことわかってる癖に。
『…アイス、ひと夏分』
「しかたない、要求は飲んでやろう」
『さっすが湧ちゃん』
へへっ、て笑えば髪の毛をぐちゃぐちゃに撫で回される。
湧ちゃんのおっきくて、ゴツゴツした手は、やっぱり安心する。
かっこよくて、なんでも出来て、頭はちょっと悪いけど、そんなとこはわたし達似てるからちゃんと兄妹だねって。
血は繋がってないけど、ちゃんと家族で、自慢のお兄ちゃんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 721人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「少年忍者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kagayakushinee0(プロフ) - アオさん» 公開ありがとうございます！！これで仕事頑張れます！！！！ (2020年11月27日 8時) (
レス) id: b530fdb8e6 (このIDを非表示/違反報告)
tapiocaぱん(プロフ) - ありがとうございます！！ (2020年11月27日 7時) (レス) id: 8e18e177d7 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - 宮さん» 生きる糧だなんて！！ありがとうございます(;_;)完結まで無事に見届けていただけると幸いです！ (2020年11月27日 6時) (レス) id: 72f4fb8b9f (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - かれんさん» ありがとうございます。続編、無事に公開致しました。そちらも応援のほど、よろしくお願い致します！ (2020年11月27日 6時) (レス) id: 72f4fb8b9f (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - ゆじょんさん» ありがとうございます！！続編公開致しましたのでぜひお楽しみいただけたら幸いです(^^) (2020年11月27日 6時) (レス) id: 72f4fb8b9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオ
| 作成日時：2020年11月21日 20時
